ビジネスをしていれば、お金の不安は常につきまとうものでしょう。それを解消したいという気持ちもわかります。でも、不安じゃない方がむしろ危ないと思います。
不安だから、動く
「御社のお金の不安を解消します!」という宣伝文句を謳う(自称)資金調達コンサルタントは多いものです。
補助金や融資の支援がウリなのでしょう。
確かに、資金繰りを改善するために、融資や補助金を活用することは有効です。
でも、融資を受けたらお金の不安はなくなるかというと、そうともいえません。融資はどっちみち返済が必要ですし。
補助金は返済の必要はありませんが、支出を補填するためのものなので、支出ありきです。
出資も返済は不要ですが、上場企業のように業績を定期的に報告する必要があります(しなくていい慈善家もいるかもしれませんが)。業績が芳しくなければ、出資者への説明も胃が痛いでしょう。
どこまでいっても、お金の不安はつきまとうものです。
安易に、「お金の不安を解消します!」とは私は言えません。
ですが、不安だからこそ動けるという面もあります。
売上を上げるための営業やマーケティング、資金繰り表の作成、融資の検討、すでに融資を受けていたら利息の条件を見直す交渉をしたり、全てお金の不安があるからこそ動けるものです。
不安を持っている経営者ほど、財務が健全であることが多い
「お金のことなら気にしなくていいから」という会社は気前が良くて事業も順調なようですが、案外そうではなかったりします。あるいは今は調子が良くても、数年後に悪化していることも多いです。
- お金があるからといって都心の一等地にあるシェアオフィスに引っ越す
- 年度末が近づいて税金を払いたくないからと、よくわからない保険に入ったり変なイベントをし始める
- 上場を目指しているということで、弁護士や会計士に多額の報酬を払い続ける(上場はずっとできてない)
- 人を採用してもすぐ辞めてしまって、採用フィーばかりかかってしまう
いずれも、私が見てきた会社で起こったことです。
お金を手厚く会社で確保しておくことは良いことですが、だからといってお金に無頓着ではいけません。
今は良くても、数年後に資金が危うくなり、慌てて融資を申し込みに行ったり追加の出資に奔走することにもなる可能性があります。
むしろ、お金について正しく不安を持ち、こまめに業績や資金の状況をチェックしている会社の方が、財務は健全であることが多いです。
早めに手を打つので、融資を申し込むときもスムーズに進むことができたりします。
正しく不安と向き合おう
お金に対する不安というのは、しなくていいならしたくないものですけど、だからといって安易に「お金の不安を解消します!」という人は信用ならないかなとも思います。
コンサルに多少のお金を払って、そんな簡単に不安なんて消えないものだと思います。
むしろ、正しく不安と向き合い、今はいくらの資金があって、この先どれぐらいお金を使っていくのかをこまめに見ていく「健全な不安」を持ち続けることが、結果として不安の軽減にもつながります。
過度な不安は身を崩しますが、不安がないのも危険です。
▪️編集後記
昨日は午前は税理士業の打ち合わせなどを自宅で行い、午後は散髪へ。
新セミナーの告知も行いました。
3/25 ブログ継続セミナー
▪️娘日記
最近は落ち着いていましただ、また夕方にグズることが多くなりました。お風呂ではずっとギャン泣きしています。
日々変わっていきますね。