住民税は原則として毎月納付が必要ですが、意識していないと忘れがちです。万が一住民税の納付が漏れた場合の対処法をまとめます。
いつも使ってる納付方法が使えないことも
会社によっては、住民税の納付を納付書ではなく、ネットバンクなどで行っている会社もあると思います。
しかし、毎月10日の納付が漏れた場合、銀行によっては、ネットバンクによる住民税の納付ができないことがあります。クレジットカード払いも、自治体によってはできないことがあります。
対応としては、銀行に出向き、紙の納付書、通帳、印鑑を持っていき、銀行で納付が現実的な対応になります。
自治体によっては、期限が過ぎた納付書を使って納付してもいいのか、あるいは別途納付書を自治体から再送してもらって納付する必要があるのか、対応が違うこともあります。
住民税の納付が漏れていると、一刻も早く払わなければと考えてしまいますが、まずは自治体に確認する方が良いかと思います(銀行に納付書を持っていけば、銀行が確認してくれることもありますが、自分で直接自治体に確認した方が確実でしょう)。
また、納付書は年に1回送られてくるだけなので、もし途中で社員の入退社があった場合、納付書に書いてある金額と、実際に納付すべき金額が異なることがあります。
納付書に書かれている金額をそのまま納付すると実は納付が不足していた or 払い過ぎたということにもなり得るので、給与計算ソフトなどで今払うべき金額も確認が必要です(もし納付書に印字している金額と実際に納付すべき金額が異なる場合、手書きで納付書の金額を修正すればOKです)。
延滞税はかかるのか
3ヶ月以上納付が遅れた場合、延滞税がかかります。
具体的な延滞税の計算方法は、例えば渋谷区の場合、現在は以下のようになります。
延滞金額=滞納額×延滞金の割合×日数÷365
例えば、払うべき住民税の金額が55,000円(令和3年分)で、1ヶ月延滞になった場合、
55,000 × 2.5% × 30日 ÷ 365日 = 113円となります。
ただし、延滞金が1,000円未満の場合は延滞金はかからないので、この場合、延滞金はゼロです。
しかし、1ヶ月を超えて延滞になった場合は、さらに上乗せになります。
例えば、払うべき住民税の金額が55,000円(令和3年分)で、6ヶ月延滞になった場合、
55,000 × 2.5% × 30日 ÷ 365日 = 113円
55,000 × 8.8% × (180日 – 30日) ÷ 365日 = 1,989円
113円 + 1,989円 = 2,102円 → 2,100円(百円未満切捨)
となり、30日を超えた分は「延滞金の割合」が倍以上になります。そのため、延滞期間が長引けば長引くほど、延滞金の負担は大きくなります。
忘れないための工夫
住民税は、年に1回住民税の決定通知書と納付書が各自治体から送られてきて、それをもとに毎月の給与から天引きし、毎月10日までに納付します。
毎月自治体から納付書が送られてきたり通知が来るわけではないので、自社で毎月のタスクとして納付の手続きをする必要があります。
それなりの規模がある会社だと、経理担当者がいると思うので漏れる可能性は低いと思いますが、ひとり社長などの場合、本業もやりながら納付の手続きを忘れずにする必要があります。
忘れるリスクもそれなりにあります。
納付漏れを防ぐための対策としては、以下のような対策が考えられます。
- 納期の特例を活用
納付を毎月ではなく、半年に1回まとめて払うことができる(社員数が9名以下の時だけ利用可能) - 口座振替
- タスク管理で漏れないようにする
無難なところとしては、口座振替の手続きをしてしまうところでしょうか。最初の手続きが面倒ですが、一度やってしまえば、残高にさえ気をつけていれば、納付漏れになることは回避できます。
納付が漏れると、自治体から督促状が届きます。一瞬ドキッとしますが、すぐに払えば延滞金が多額になることはないので、万が一督促が来たら、すぐに納付に向けて動くようにしましょう。