過度な節税はいけませんが、適切な節税はむしろ積極的にやるべきであり、経営者の義務でもあります。「脱税は違法ですが、節税は義務」です(とある会計士の受け売りの言葉ですが)。
脱税と節税のちがい
脱税と節税の違いは、「嘘をついているかどうか」、「事実じゃないことをでっちあげているか」の違いにあります。
具体的にいうと、
- 売上を除外する
- 架空の経費
- 他人の領収書をもらって経費にする
こういったことは「事実ではない」経理をしているということなので、「脱税」です。
じゃあ上記以外であれば脱税ではないのかというと、必ずしもそうではありません。
節税の手法として使われる方法でも、目的によっては脱税になりえます。
例えば、どこかに旅行に行ったときの交通費を経費にする場合、その旅行が業務のための出張であれば当然に経費になりますが、プライベートな旅行だったら経費になりません。
実際は純然なプライベート旅行なのに、出張と偽って経費にするのは「嘘」になるので脱税でアウトです。
一方で、法人で出張旅費規程を作っておき、その規程のルールに基づいていれば、仕事で出張した場合に交通費の実費だけでなく出張手当を支給しても、それは経費にできます。
これは仕事のための出張であり、そのためにかかった経費なので、出張手当も経費になります。嘘をついているわけではないので節税方法の一つです。
誰が会社を守ってくれる?
適切な節税は、会社のお金を守るために、経営者が考えるべき義務でもあります。
経営者の仕事は、売上を上げること・マネジメントをすること、いろいろありますが、会社にお金を持ってくることも重要な仕事です。
節税は「やっておいた方が得」なものではなく、経営者として身につけるべきリテラシーです。
会社でもフリーランスでも、「今月ちょっと厳しいなー」と思うことはよくあるはずです。
会社にお金がなくなってから銀行に融資を依頼しても、融資を受けるのは難しいでしょう。
資金が厳しいからといって、誰かが助けてくれるとは限りません。仮にそういう味方がいたとしても、そこに頼ってばかりではいけません。
自分の会社は自分で守っていく必要があります。
そのためにも、脱税はいけませんが、節税は経営者の義務ともいえます。
節税の目的は税金を払わないことではなく、会社にお金を残すこと
一方で、税金を1円たりとも払いたくないという気持ちが先行してしまって、無駄な支出をしてしまっては本末転倒です。
税金は安くはないですけど、利益の金額以上に税金がかかることはありません(均等割のように利益に関係なくかかる税金は多少ありますが)。
税金を払いたくないばかりに経費を無駄に使ってしまうと、赤字になってしまうこともあります。
節税の目的は税金を払わないことではなく、会社にお金を残すことです。
目的を履き違えて「税金を払わないようにすること」ばかりを考えていると、結果として税金は払わなくて済んだとしても会社にお金が残っていないという事態になることもありえます。
お金は知識のない人からある人に流れていくものです。
勉強せずに税金を払い、営業などに集中するという考えもありますし、セミナーやプロに報酬を払って節税をするという考え方もあります。
私としては、セミナーや本にお金をかけて節税を考えたほうが、自分の血肉になるのでおすすめではあります。
▪️編集後記
昨日は会計士業とセミナー資料作成。その後、産婦人科で妻&娘とご対面。
この数日で何百枚と娘の写真を撮ってしまいます。Googleフォトの容量がすぐにいっぱいになりそうです。