補助金は「もらえるお金」ではなく、「支出を補助する」もの。

補助金は融資とは違って返済不要なため、もらえるのならもらいたいと考えている方も多いです。必要な設備投資のための補助金は積極的に活用すべきですが、補助金ありきで支出をするのは本末転倒です。補助金はあくまで「補助」であり、「もらえるお金」とは思わない方がいいです。

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無数にある補助金

広く周知されてはいませんが、補助金は無数にあります。
年間で数千件の補助金があるといわれています。

その中でも、「IT導入補助金」、「小規模事業者持続化補助金」、「ものづくり補助金」の3つは、比較的メジャーで利用する事業者も多いです。

目的補助額補助の対象
IT導入補助金業務効率化2分の1
上限150万円
(通常枠)
ソフトウェア、それに付随する役務サービスなど
小規模事業者持続化補助金販路拡大3分の2
上限50万円
機械装置、広報費、ウェブサイト関連費など
ものづくり補助金革新性3分の2
上限1,250万円
機械装置、システム構築費など
年によって別枠などもあり、内容は変わる可能性があります。

こういった補助金では、パソコンやスマホの購入は補助にはなりません。業務以外(プライベート)でも利用することができますし、容易に売却することができるからです。

補助金は融資のように返済をする必要がないので、「もらえるお金」という認識があります。しかし、補助金は「もらえる」のではなく、「支出を補助するもの」です。
「もらえるお金」と思ってしまって補助金ありきでいろんな投資をしようとしてしまうと、かえって支出が増えてしまうリスクもあります。

補助金は「支出を補助するもの」

例えば300万円の設備投資を行うために、補助金を使って3分の2を補助してもらうとします。
仮に申請が通ったとしても、補助金は基本的に後払いなので、いったん300万円を自社で払う必要があります。その後実際に事業を運営して事業の結果を報告し、請求をすることで補助金が入金されます。
実際に補助金が入金されるのは、長いと1年ぐらいかかる場合があります。

実質的な負担は3分の1で済むとしても、キャッシュに少なからず影響は与えます。

ITベンダーの営業を受けると、「IT導入補助金が使えるから、こっちの(高い方の)プランがおすすめです」というようなセールスをされることがあります。
本当にそのサービスが必要なら補助金をもらって購入するのはいいですけど、「補助金がもらえるから」という理由で高いサービスを買うのは本末転倒です。

補助金に頼らずに不要な支出を抑えたほうがよっぽど資金繰り的には良いです。

補助金はもらえるものではなく、支出を補助するものです。前提として支出をすることが必要になってきます。
その支出が過度なものだったら、補助金があるとはいえ資金繰りが良くなるとはいいづらいです。

また、補助金は申請が承認されるまでも手間がけっこうかかります。
要件にあてはまるかを要領を見て確認し、申請書を何枚も書き、事業の報告もする必要があったりします。

実際に大きな設備投資が必要な場合には、補助金は積極的に活用すべきですが、大きな設備投資の必要性がないのであれば、手間を考えると必ずしも必要とは限りません。

補助金だけでなく、融資の検討も

むしろ、融資は積極的に検討すべきです。

銀行融資は返済の必要がありますし、利息も払う必要がありますが、返済の実績を積み上げることで銀行との信用ができます。
信用が積み重なれば、より有利な条件で融資を受けられる可能性があります。
補助金は、毎年募集がかかっているものもありますが、今年はあった補助金が翌年には打ち切りになることもあります。完全に外部要因に依存することになります。

中長期的な資金繰りを考えれば、銀行との関係性を早いうちに作っておくことがおすすめです。
(私も融資を受けていますし、そのためのサポートも行っています)



▪️編集後記
昨日は午前中にセミナー受講。
その後はオフ。家から少し離れた百貨店の大きな書店で本を何冊か購入。

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