freeeでも資金繰りレポートは出力されますが、Excelで自作してみることがおすすめです。Excelの方が自由度がありますし、勉強にもなります。今回は、月次ではなく、1日ごとの日繰りの資金繰り表をExcelで作る方法を紹介します。
Excelで資金繰り表（日繰り）を作成する方法
最終的な仕上がりは、以下のような感じです。
作成のステップとしては、以下のとおりです。
- freeeから取引一覧をエクスポート
- 出力したcsvを加工
- XLOOKUP、SUMIFS関数で集計
freeeから取引一覧をエクスポート
freeeのホーム画面の「取引」タブから、「取引の一覧・登録」をクリックします。
右の方に、「その他の機能」があるので、そこから「取引データのエクスポート」を選択します。
全件エクスポートしましょう。
これで、しばらくするとメール通知が来るか、通知を設定していない場合は、「取引の一覧・登録」→「その他の機能」に、「取引エクスポート履歴」という箇所があるので、ここからエクスポートしたデータをダウンロードできます。
出力したCSVを加工
ここからExcelの操作に入ります。
まず、新規のシートに、「code」というシート名で以下のような対応表を作成します。
2種類の対応表を作っています。一つは、freeeに登録されている勘定科目を、資金繰りの科目と対応させたものです。
資金繰り表には、B列にある「経費の支払い」とか「借入金の返済」という科目で集計するようにします。
もう一つは、freeeの取引データから、資金の動きのある取引を抽出するためのものです。サンプルだと、A銀行とB銀行から入出金があった取引には「1」のフラグをつくようにしておきます。
次に、freeeから出力したcsvを上記のExcelにコピーします。
freeeからエクスポートしたcsvを開くと、以下のようなファイルが出てくると思います（↓はサンプルデータです）。
このうち、今回集計に使うのは、黄色くハイライトした部分です。
上記の取引データを先ほど対応表を作ったExcelファイルにコピーします。対応表は「code」というシート名、エクスポートしたシートは「deals」というシート名にしておきます。
「deals」のシートは、「Ctrl + T」でデータ形式に変換します。Excelで操作するときは、データの形式の方が何かと都合が良いです。
データ形式にすると、以下のような見た目になります。
このデータ形式にした取引に、資金繰り表作成のための列を2列追加します。
まず、取引データの中から資金の動きがあるものにフラグを立てます。S列を追加し、以下のような関数を入れます。
P列の「支払口座」で「A銀行」あるいは「B銀行」が出てきたら、「code」のシートで対応表を作ったように、「1」が出るようにしておきます。
次に、T列に資金繰り表の科目を出るようにしておきます。F列の勘定科目から、「code」のシートで作った資金繰り表用の科目をXLOOKUP関数で呼び出します。
XLOOKUP、SUMIFS関数で集計
最後は、資金繰り表のシートで、SUMIFS関数を使って、「deals」の取引一覧から資金データを集計します。
これで、日繰りの資金繰り表ができます。
銀行ごとの残高明細を細かく見たいとか、取引先ごとの売掛金の回収を知りたいといった追加の情報が欲しい場合には、適宜Excelを加工して集計することもできます。
あと、余談ですが、フォントは「日本語：Meiyo UI、英数字：Century Gothic」がおすすめです。ちょっと見た目がシュッとしていい感じになります。
Excelで作成するメリット
わざわざExcelを使わなくても、freeeからでも資金繰りレポートは出力できます。
ですが、会計ソフトのレポートはカスマイズの自由度が下がります。freeeには「カスタムレポート」という機能があって、集計したいものを自分でカスマイズして出力できる機能もありますが、それを使いこなす訓練をするぐらいだったら、Excelを習得した方が汎用性があります。
料金プランによっては見れないレポートもあったりしますし、会計ソフトに依存しすぎない方でいいでしょう。
当然Excelで集計するのもデメリットもあります。ファイルが壊れる可能性がありますし、ミスが起こるリスクもあります。
規模の大きい会社だったら、システムを導入するという選択肢もありますが、まずはExcelで自作してみて、バランスを考えるのがいいかと思います。
月次だけでなく、日次で資金繰りを把握するメリット
資金繰り表というと、一般的には月次の資金繰り表（あるいはキャッシュ・フロー計算書）は使われることが多いと思います。
月次でも問題ない会社もあるかもしれませんが、創業したばかりであったり、先行投資が必要な業種の場合、日次で資金繰りをチェックしておいた方がいいです。
売上は順調に伸びていても、入金よりも前に支払が迫ってきて、気づけば資金繰りが危ないということは往々にしてあります。
そして、日次で資金繰りを把握するには、毎日経理をすることが不可欠です。
経理はただ税金を計算するためのものではありません。資金繰りの把握にも大きく影響します。
日々コツコツと経理をして、Excelを活用して資金繰りを管理するようにしましょう。
▪️編集後記
昨日はオフ。大阪の中之島で、「古代メキシコ展」に家族と行きました。権力者の墓とか副葬品とか五穀豊穣の祈りとか、世界中どこでも似たようなことをやっているものですね。
その後、散髪へ。大学生以来、髪を染めてみました。いずれ年をとって染める髪もなくなっていくでしょうし、今のうちに楽しみたいと思います。
