経営計画を「必要なお金」から作成する

下から積み上げていくイメージ

銀行からの融資や補助金を受ける場合など、3〜5年の経営計画を作る場面も少なからずあると思います。特に数値計画は、売上見込みから経費・利益と作っていく方法もありますが、目標となる利益・資金から逆算してつくる方法もあります。

目次

経営計画を「上から作るか・下から作るか」

経営計画といえば、損益計算や資金繰り表などの数値計画は必要なものです。

作り方としては、
・見込まれる売上から経費、利益( or 必要なお金)を見積もっていく方法(損益計算書の上から下に作る方法)
・目標とする利益( or 必要なお金)から経費、売上を見積もっていく方法(損益計算書の下から上に作る方法)
の2種類のアプローチがあります。

作りやすいのは前者(売上から作る方法)かもしれません。「どれぐらいの売上が見込めそうか、「どれぐらいの売上を目指すのか」を考えることは、経営者の腕が鳴るところです。

ですが、売上から作っていく方法は、「絵に描いた餅」になりやすいです。経営者は志が高いですから、売上も夢に溢れた目標値になりがちです。そこから出てくる利益も過大な金額となり、実現可能なのかを懸念を持たれる可能性もあります。

まずは必要な利益、もっと言うと運転資金や融資の返済資金などの「必要なお金」をまず決めて、そこから実現可能な売上を算出して経営計画を作ったほうが、地に足の着いた計画にしやすいです。

「必要なお金」から経営計画を作成する

まずは現状把握です。

  • 通常の事業を運営していくうえで、いくらの運転資金が必要か
  • 設備投資の予定がある場合、いくらぐらいか
  • 今の現預金の残高はいくらか
  • 借入金の残高と利息はいくらか

これらを確認したうえで、運転資金と返済に必要なお金を計算します。

そして、そのお金を稼ぐために、どれぐらいの経費がかかり、どれぐらいの売上が必要なのかを集計します。

「必要なお金」から逆算して作った数値計画は、銀行からもウケがいいです。
銀行は社長の夢やパッションよりも、現実的な数値を好むものです。

銀行などの社外向けの計画と、社内の目標達成のための計画の2種類作成することもあります。「チャレンジ計画」と「コミット計画」というような感じです。
管理は大変になりますが、実現可能性もいいけどあまりに手堅すぎるのも締まりがない、というような場合、2種類作ってみるのも良いと思います。
(決算書は2種類作るのは厳禁です。2種類作っていいのは計画書だけです。)

経営計画は、「数値計画」だけではない

経営計画というと、利益計画や資金繰り計画表などの数値計画のイメージがありますが、数値以外の計画も重要になります。

経営理念、経営方針、外部環境分析、人材採用・育成の方針といった基本方針も計画を作るうえで必要になります。
また、数値計画を達成するための具体的な行動目標、アクションプランも必要です。
銀行融資や補助金を申請する際にも、経営理念やアクションプランを記載することは多いです。

計画書に書くだけだったら、ChatGPTでそれっぽいものは書けてしまいます。実際ChatGPTでたたき台を作って、それをもとに計画書を作ったこともあります。

書くだけだったらAIにおまかせでもいいのですが、実際の面談でボロが出ます。自分の言葉で自社の将来とかビジョンを語っているかというのは、話を聞くとわかるものです。
口では話せても文書にするのは苦手、という人もいます。そういう人は、AIにサクッとたたき台を書いてもらってもいいでしょう。

経営計画を作るのは大変なものです。
数値計画は下から作り、数値以外はAIに下書きしてもらう。
これだけでも経営計画を作る心理的なハードルは少し下がるのではないでしょうか。



▪️編集後記
昨日は奈良駅近くのコワーキングスペース(YAMATO BASE)で仕事。
オフィスへの出勤もなく、打ち合わせも基本オンラインでやるようになって、人と直接顔を合わせることが激減しています。こういうコワーキングスペースで他の人がいる空間も刺激になります。

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