スタートアップじゃなくても、「バーンレート」と「ランウェイ」は意識すべき

スタートアップの界隈では、「バーンレート」や「ランウェイ」という数字がよく使われます。いずれも資金繰りの状況を表す指標です。スタートアップ特有の言葉ですが、フリーランスや中小企業であっても、意識したほうが良い数字だと思います。

目次

「バーンレート」と「ランウェイ」

バーンレートとは、平たく言うと月次の収支です。計算式だと、

(総コスト ー 売上収入) ÷ 月数 です(ネットバーンレートともいわれます)。

例えば、23年4月〜24年3月までの総コストが6,000万円、売上が4,000万円だとすると、

(6,000万円 ー 4,000万円) ÷ 12ヶ月 =166万円となります。
毎月166万円のお金が減っているという見方をします。

ランウェイとは、どれぐらいの期間でお金が尽きるかを表したものです。
上記の例に加え、今手持ちのキャッシュが2,000万円だとすると、

2,000万円 ÷ 166万円 =約12ヶ月となり、このままだと、12ヶ月で資金がなくなるということを表します。

スタートアップは基本的に投資先行で、PLは赤字になるのが普通です。資金もどんどん減っていきます。
その資金を埋めるために、VCからの出資、銀行からの融資、政府や自治体からの補助金を使っていくわけですが、特にVC向けには、バーンレートやランウェイは報告を求められることが少なくありません。

PLの営業利益やBSの資産ももちろん重要ですが、資金繰りについても、自社で把握しておく必要があります。

スタートアップも中小企業も、重視する数字はほぼ同じ

バーンレートやランウェイといった指標はスタートアップ界隈特有の言葉ではありますが、目的は資金繰りの状況と見通しを確認することです。

これは別にスタートアップだけに必要なことではなく、フリーランスでも、上場を目指していない中小企業であっても同じだと思います。

どれだけの資金が手元にあって、それが毎月どれぐらい増減していくのか、今のままだとどれぐらいで資金が底をつくのかは、収益性や財政状況を確認するのと同じぐらい重要です。

言葉は違っても、ビジネスの財務面で考えるべきことはベンチャーでもフリーランスでも近いものがあります。

会計ソフトでは、資金繰り表はオマケ

弥生会計やfreeeなどの会計ソフトでも、資金繰り表を出力する機能はありますが、オマケ的な位置づけです。
あくまでBS、PLを作ることが会計ソフトの目的なので、会計ソフトだけで資金繰りを見ようとしても、欲しいデータが見れないということがあります。

しっかりした資金繰り表を作成しようと思うと、会計ソフトのデータをもとに、Excelを使う方がいいこともあります。

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資金繰り表を作ることもBSやPLを作るのと同じぐらい大事なことだと思っていますが、会計ソフトでは資金繰り表はうまく作れません。
簡単なものなら会計ソフトでも確認することはできますが、資金繰りはおろそかにできないものでもあるので、Excelを使ってしっかり管理することをおすすめしています。
(ご自身でやらなくても、税理士などにサポートしてもらうでもいいと思います。私もサポートしています。)



▪️編集後記
昨日は奈良のコワーキング「BONCHI」へ初めて行きました。1階、2階、4階にワークスペースがあり、広々としていて良かったです。
コワーキングで経理支援業務。

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