延期だった改正電子帳簿保存法の施行まで1ヶ月。話題のニュースだけが重要ではない

今年の10月にインボイス制度が始まり、延期になっていた改正電子帳簿保存法についても、施行まであと1ヶ月と迫っています。書店やCMではこの2大法改正ばかりが目立っていますが、他にも重要なことはたくさんあります。

目次

電子帳簿保存法、インボイス制度が騒がれているけれど

10月からインボイス制度がスタートしました。制度の趣旨はそれほど複雑ではないものの、経過措置や例外規定が乱立され、実務上の手間はけっこうあります。

インボイス制度について、改めて考えてみる

インボイス制度と並んで大きな法改正としてよく叫ばれるのが、電子帳簿保存法です。

今までは帳簿だけでなく領収書や請求書は全て紙を原本として保存することが義務付けられていましたが、電子データで受領した領収書や請求書については、電子で保管「しなければならない」という内容に変更されました。

  • 総勘定元帳や仕訳帳などの経理で使う帳簿は、データで保存してもいい
  • 取引先から紙で受け取る請求書や領収書は、スキャンしてデータで保存してもいい
  • 取引先からデータで受け取る請求書や領収書は、データで保存しなければならない

電子帳簿保存法についても、制度の趣旨そのものは複雑ではありません。SaaSビジネスやネット通販が普及して、領収書や請求書が紙で発行されないことも多くなってきたことを受けて、データを原本として扱っても良いというのが制度の趣旨と理解しています。

しかし、法律の施行が突然延期になったり、帳簿・スキャナ保存・電子取引という3類型ごとの規定がわかりにくく、大げさに騒がれている印象があります。

大きな法改正ではありますし、ほぼ全ての企業が対応しなければならないということもあって、キャッチアップは必要ですが、そこまで大げさに考えず、粛々と対応していけばいいのではないかと思います。

「電子帳簿保存法の対応」より、「経理効率化」の方が重要

電子帳簿保存法の対応だけで終わってしまい、取り繕ったような規程の整備や証憑の保管を整理するだけでは、電子帳簿保存法の趣旨にも合わないでしょう。

法改正だけに注目するのではなく、これをきっかけに経理業務効率化にも取り組みたいものです。

経理に関わる人は、年に1回の決算になると繁忙期になります。会社によっては、年1回どころか、月次決算を締めるために毎月繁忙期になっているところもあるでしょう。

この状況を何とかする方が、経理や税務業務にとってはよっぽど重要です。

なぜ遅くまで残業しないと決算が締まらないのか?本業以外の雑務が多すぎるのか?人が足りなすぎるのか?そもそも効率化したいとも考えていないのか?etc

書店にはインボイス制度や電子帳簿保存法の書籍が平積みになってたくさん並んでおり、ニュースでも取り上げられることが多いです。

しかし、そういった目につく法改正は、違法にならないようにサクッと対応してしまって、もっと重要な、日々の経理業務を整備していくことに時間を使った方がいいと思います。

目先のニュースに惑わされない

電子帳簿保存法のニュースに限らず、ニュースで大きく取り上げられることが、自分や自分の仕事にとって重要とは限りません。

インボイス制度の施行直前も、ニュースや新聞で大きく取り上げられていましたし、対応に迫られてもしましたが、だからといってそればかりやっていてもしょうがないです。

社会の関心ごとを知るために、ニュースや新聞を見ることも重要だと思いますが、それに惑わされて自分の軸がズレないようにはしたいと思います。

インボイス制度や電子帳簿保存法よりも考えないといけないことはあります。目立たないけど重要なことに、コツコツと取り組んでいきたいと思います。

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