税務申告を紙ではなく電子申告でしようとすると、種類が何個もあって複雑に感じます。
e-Taxソフト・e-Taxソフト(Web版)の違い
所得税や法人税といった「国に払う税金」は、e-Taxで電子申告ができます。
ただ、このe-Taxという国税庁が出しているツールには、2種類あります。
パソコンにインストールして使う「e-Taxソフト」とインストールしなくていい「Web版」の2種類です。
また、e-Taxで確定申告書を作成するためのツールには、「確定申告書等作成コーナー」というものがあります。
これは、所得税や贈与税の税務申告書を作成するためのソフトです。インストールは不要で、ブラウザで使えます。
一口に「e-Tax」といっても、いろんなツールやソフトが登場してきます。
e-Taxで確定申告をするには、e-Taxソフトが必要。ただし、e-Tax(Web版)では申告はできず、Web版じゃない方を使う必要がある。でも、「確定申告書等作成コーナー」を使えば、e-Taxソフトを使わなくても確定申告ができる。
ざっくり言うとこういった役割の違いがありますが、何かよくわからないですね。
パソコンで申告書を作りたいだけなのに、なぜこんなにツールが出てくるのか。よくわからないので、紙で提出した方が早いと考えても無理はありません。
e-Taxソフト(Web版じゃない方)の方がパソコンにインストールが必要で導入までに手間がかかる分、できることも多いです。
e-Taxソフト(Web版じゃない方)のうち、できることが限定されたものがe-Tax(Web版)です。機能が制限されている分、パソコンにインストールする必要がないのが利点です。
確定申告書等作成コーナーは、主に所得税の確定申告をするためのソフトです。市販だと「やよいの青色申告」とか「freee」といったソフトがありますが、それと同じソフトを国税庁が無料で提供しているものです。
「確定申告書等作成コーナー」は位置づけが違うのですが、ざっくり両者の違いを簡単にまとめると以下のようになります。
e-Taxソフト(インストール版) | e-Taxソフト(Web版) | 確定申告書等作成コーナー | |
税務申告書の作成 | ◯(贈与税以外) | × | ◯(所得税・贈与税) |
申請書の提出 | ◯ | ◯ | △(所得税の更正の請求のみ) |
顧問税理士がいる場合は、インストール版のe-Taxは基本的に税理士が使うものなので、社長やフリーランスの人はWeb版を使うと考えておいていいでしょう。
また税理士に任せず自分で税務申告をするとしても、「確定申告書等作成コーナー」か市販のソフトを使って申告書は提出することが多いと思うので、インストール版のe-Taxソフトを利用する場面は多くないかと思います。
eLTAXを使うには、PCdesk(Web版)、PCdesk(DL版)、PCdesk(SP版)
上記は国に払う税金の話です。
住民税、事業税などの都道府県・市町村に払う税金には、eLTAX(エルタックス)という違うツールを使う必要があります。
eLTAXを利用するには、PCdeskというツールを使う必要があり、このPCdeskにもダウンロード版、Web版、さらにスマートフォン版と3種類があります。
なんでeLTAXを使いたいのにPCdeskという違う名前が出てくるのかも混乱です。
PCdeskのダウンロード版、Web版、スマートフォン版の違いも、基本的にはダウンロード版でほとんどのことができて、Web版やスマートフォン版は機能が制限されているという違いがあります。
税法が複雑というより、手続き方法が複雑
昨日の記事では、「税法が複雑だから、それをわかりやすく説明しようとしてもわかりにくい」という話をしました。
税法が複雑というのもありますが、電子申告に関しては、申告書の提出などの手続きも複雑です。
複雑な税制を複雑な手続きでしか対応できないとなったら、多くの人にとってはストレスでしょう。
しかし、複雑とはいえ年々使いやすさは向上しています。
昨年の確定申告では、スマートフォンを使おうとすると画面が小さくて使いづらかったですが、今年からスマホ用の申告画面にリニューアルされました。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/r6_smart_shinkoku/index.htm
まだまだ複雑さは拭いきれないですけど、少しずつ改善されてはきているので、昔e-Taxに挫折した人は、再チャレンジしてみてもいいでしょう。
▪️編集後記
昨日は会計士業。Kindle執筆、セミナー告知など。