コロナ前の思い出 銀座の立ち飲みバーで撃沈した話

スマホの写真を眺めていると、東京ミッドタウン日比谷の写真が出てきました。撮影日は2018年4月。この年の3月にミッドタウンは開業しているので、開業直後の写真になります。この写真を撮ったときの私は泥酔していました。写真を眺めていると、あのときの悲しい思い出がよみがえります。

目次

コロナ前の「密」な思い出

金曜日の仕事終わりでした。クタクタになって同僚と飲んだ後の2件目、銀座にある有名な立ち飲みバーに行きました。

入店時に900円を支払い、3枚つづりのチケットを買います。チケット1枚でドリンク1杯、3杯まで飲めるチケットです。

1枚は自分が飲む用に使い、残りの2枚で店内のお客さんにごちそうしたりします。

店内は金曜の夜とあって大繁盛。人をかき分けないと店内を歩いて移動もできないぐらいのにぎわいでした。

激密です。

お客さんの比率は男9割、女1割ぐらい。

男9割、女1割。

男性陣は、その1割の女性に何とか声をかけようと手を尽くします。

敗北した男たちは、店の端の方で、傷を舐めあうように、男同士で静かに飲むことになります。

私も惨敗。あまりの人の多さに耐えきれず、店の外に出て、酔いを醒ましていました。チケットは2枚残っていました。

自分は何をしているのか?

こんなことをするために地方の田舎から東京に来たのか?

こんなことをするためにクタクタになるまで働いてきたのか?

情けなく恥ずかしく、日比谷の路上で横になりました。

通りかかった外国人に、「He is Crazy」みたいなことも言われました。

そのときに撮影したのが冒頭の写真です。

あの頃の密で、恥ずかしくて、バカバカしい思い出も、今となっては懐かしい記憶です。

あの頃に戻りたいとは思わないが

今あの頃に戻りたいか?

コロナで人と人の物理的な距離が遠くなり、今になって改めて、オフラインで人と会うことの大切さが問われています。

でもあの激「密」な空間は今はちょっときつい。戻りたいとは思わない。

それでも、今こうやって話のネタになっていて、今では懐かしく楽しい思い出でもあります。

「青春ってすごく密なんで」と甲子園の優勝監督は言いましたが、青春じゃなくても、密で、不要不急で、でも懐かしくて恥ずかしい経験があることは、誰でも得られるものではない貴重な経験だったと思います。

あのカオスな銀座のバーにもう一度行きたいとは思わないし、あの頃に戻りたいとは思わないけれど、後悔はない思い出ではあります。

つらい思い出も、人生の物語を魅力的にしてくれる(かも)

コロナによって飲み会は減り、戻ってきたとはいえ人と接触する機会も以前よりは少なくなりました。マスクはしないことも増えましたが、人が多いお店とか電車とか密な空間にノーマスクでいることは少し抵抗感があります。

今はあのときのような密な空間に行くことはないかもしれません。ましてや金曜の夜に銀座になんてまったく行きません。

でも、恥ずかしくてつらいと思う経験でも、それを乗り越えれば、「なんだかんだあれもいい経験だったな」と思えるものです。

脳科学的にも、脳は直近で起こった出来事に影響されて幸福か否かを判断するようになっており、過去につらい経験があっても、その後にいい経験があれば上書きされて幸福感を感じやすくなっているようです。

「終わりよければすべてよし」は脳科学的にも正しいのです。

そのときつらく苦しくても、恥をかいても、その体験がその後の人生をより魅力的なものにしてくれるかもしれません。

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