帝国データバンクによると、2024年8月に倒産した会社は全国で746件あるようです。1日に換算すると25件ぐらい。いずれも手を尽くしても倒産せざるを得なかった事情があるのでしょうが、手を尽くせば何とかなるうちに改善が必要だったのかもしれません。
帝国データバンク「倒産集計」
帝国データバンクで、「倒産集計」の24年8月版が公表されています(毎月公開されています)。
https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2408.html
集計によると、24年8月の倒産件数は746件、28ヶ月連続で前年同月を上回り、8月としては過去10年で最多とのことです。
単純に31日で割ると、一日あたり24件倒産していることになります。1時間に1件ですね。
物価高を価格転嫁できない、人材不足、節約志向の高まりで消費が冷え込んでいるなどの要因があって、倒産している会社は増加傾向のようです。
8月に倒産した会社の個別の事情を私は知りませんし、手を尽くしても倒産せざるを得ない事情があったのでしょう。
私のお客様だけでなく、私も独立している身ですので、いつどんな事情が起こって倒産になるかはわかりません。対岸の火事とはいえないものです。
独立・起業しても生き残るためにすること
お客様にも倒産はしてほしくありませんし、私自身も事務所を廃業とはしたくありません。そのために今やるべきこととしては、以下のようなことがあります。
とにかくお金を手元に残す
極端にいえば、売上がなくてもお金があれば倒産しません。逆に、売上が100兆円あっても通帳の残高が0円だったら倒産するかもしれません。
手元のお金を残しておけば、倒産することは免れる可能性が高まります。
そのためには融資を受けること、補助金を活用すること、売上代金を前金でもらうことといったことが重要になるでしょう。
また、融資を受けるといっても、業績が悪くなってから融資を受けようと思っても難しいです。
業績が悪くないときから融資を受け、金融機関からの信頼を得ることが必要です。
(利益の出ない)売上を減らす
売上が増えるのは良いことですが、利益が出ていなかったらお金は減っていきます。
売上を増やすために在庫を増やし、設備を新しく購入して、価格は値引きする、というようなことをしていると、売上は伸びても利益は出ません。
もし商品やサービスがバズって売れだして、売上が増えることになったら、増産体制の設備投資をするか、在庫スペースや保管コストを増やしてでも在庫を増やすか、ということを、売上が伸びてるうちに考える必要があります。
資産を持たない
「カネまわりのよい経営」という名著では、「カタ太り体質の経営を目指す」ことが書かれています。
「カタ太り」とは、ぜい肉を削ぎ落とし、長期間にわたってイキイキと活動できる身体にしているということである。(P.67)
できるだけ会社の中に資産(ヒト、モノ、カネ)を溜め込まず、会社の収益性を高めるということです。
資金繰りを良くするためには融資も積極的に活用すべきですが、不要な資産を購入するために融資を受けていたら、その資産も融資も「ぜい肉」になります。
手が打てる時に打っておく
いずれの対策にも共通するのは、「業績が良いときに手を打っておく」ということです。
8月に倒産した746件の会社は、おそらく倒産を回避するために手を尽くしたのでしょう。それでもどうしようもないから、倒産になったものが多いと思います。仕方がない事情もあったでしょう。
ですが、これを「対岸の火事」と考えず、今はすぐに倒産の心配がなくても、むしろ倒産の心配がないときにこそ、打てる手は打っておく必要があります。
「好事魔多し」で、業績が伸びてきたときに倒産の要因となる事象が発生するものです。
在庫を持たないビジネスであっても、人を安易に雇わない、立派なオフィスを借りようとしない、安易に外注しないというような対策は必要です。
▪️編集後記
昨日は税理士業と自分の融資の申請。小冊子の郵送作業、Kindle執筆など。
セミナーの告知も行いました。