専門用語の使いどころ。使うなら正確に。

業界の専門用語みたいなものをどこまで使うか。極力使わずにわかりやすい説明をしたいところですが、仮に使う場面があったら、正確な表現を使いたいものです。

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「持ち分会社」?

ある新聞の記事で、以下のような記事がありました。

日本郵政、アフラックを持ち分会社に

「持ち分会社って何?」と思いましたが、記事を読むとどうやら「持分法適用会社」のことを言いたかったようです。
アフラックが日本郵政の関連会社になったということですが、それは「持ち分会社」とは言わないですね。
「持分会社」と「持分法適用会社」は、言葉は似てますけど全く違うものです。

記事のタイトルに「持分法適用会社」という漢字だけの専門用語が入ると小難しく見えるので、あえてわかりやすくしようとして「持ち分会社」という表現をタイトルに使ったのかもしれません。
でも、結果として間違ってますね。
(個人的には記事本文の方も「持ち分法適用会社」と、送り仮名の「ち」が入ってるのもかなり気になります。そんな表記見たことがないので。)

新聞は不特定多数の人が読むもので、専門知識がない人でもわかるようにする必要があるのだと思います。だから、少しでもわかりやすく、イメージのわく言葉選びをしているのだと思うのですが、わかりやすさを追求するあまりに間違った情報になってしまうのは、新聞という大規模メディアの難しいところなのかもしれません。

専門用語に頼らない。でも、使うなら正確に。

自分の仕事に置き換えて考えても、経理の人や会計士の人と会話するとき以外は、極力専門用語に頼りすぎないということは意識しています。
でも、使わなさすぎて逆にミスリードになってしまうぐらいなら専門用語で話したほうが伝わることもありますし、変な略語を使って間違った情報を伝えないようにはしたいものです。
「持ち分会社」と言うぐらいなら、多少長くなっても「持分法適用会社」と言うべきでしょう。

正しい情報なんて、どこにあるのか?

今回の新聞の件に限らず、ちょっと専門用語の正確性が怪しいニュースとか記事はたまに目にします。
でも、新聞とかニュースは「そういうもん」なんだと思います。いろんな分野の記事を扱っていて、全ての分野の専門家を社内に抱えるわけにはいかないでしょうから、専門用語の使い方を記事の中で厳密に使いこなすなんて、リソース的に無理なんだと思います。

だから、月並みですけど「ニュースを鵜呑みにしすぎない」ということですね。
かといって、「大手メディアが書いてることは嘘ばっかり」と否定的に考えるのも良くないと思います。全部を否定するのは、全部を鵜呑みにしていることの裏返しでしかないですから。
「ニュースを鵜呑みにしない」というのは、批判的に見ることであって、否定をすることではありません。

「正しい情報」とか「真実」とか「科学的根拠」とか、もはや本当にあるのかわからないです。
時代が変われば「正しい情報」も変わっていきますし。
「真実を追求する」とか「正しい情報を得る」なんてことをしようとしても、キリがありません。

でも、少なくとも、「今の時点でそれなりに正しいとみんなが思っているものは何か」を考えることは必要です。
私が新聞やメルマガ(商事法務のメルマガなど)をチェックするのも、正しい情報を得るためというよりも、「一次情報に当たる」ことを考えているからです。

「真実」とまでは言えないにしても、今の時点で当事者の人が真剣に協議したり考えたりした結果がニュースや公開情報に出てくるわけで、そういう情報に触れることは、情報を批判的に見ることにも役立ちます。

専門用語はバランス良く使わないと、かえって誤った情報を伝えることになるということを、この記事を見て痛感しております。



▪️編集後記
昨日は奈良から東京に移動。人が多いですし、みんな表情が引き締まって見えます。奈良もGW中は観光客で人がいっぱいでしたが、観光なのでみんな表情は柔らかい。でも東京はほとんどが仕事の人だと思うので、奈良の人の多さとは質が違います。「戦う場所」に来た、という感じがします。
品川駅のレンタルブースを初めて使いました。WiFiはちょっと弱め?
仕事をして、夜は会食。久しぶりに酔いつぶれました。

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