毎年7月、あるいは給料の金額が大きく変わった時は、年金事務所に「算定基礎届」あるいは「月額変更届」を記入して提出する必要があります。この資料に記入する内容について、いくつか注意点をまとめます。
算定基礎届(月額変更届)に記入する報酬金額は「総額」を記入
「算定基礎届」とは、社員が負担する社会保険料の金額を決定するための書類です。
毎年7月10日までに、会社が社員(役員)に支給している給料の金額を記入・提出することで、社会保険料の金額が決まります。
また、年度の途中で給料が大きく変わることになった場合にも、「月額変更届」を提出する必要があります。
この「算定基礎届」あるいは「月額変更届」ですが、以下のような毎月の報酬額を記載する箇所があります。

ここに記入する金額は、実際に社員の口座に振り込む金額(社員の手取り額)ではなく、給料の総額を記入する必要があります。
例えば、給料が月額30万円、源泉徴収されている税金が1万円、社保が3万円の場合、実際に社員の口座に振り込む金額は26万円です。
しかし、「算定基礎届」に記入するのは、源泉徴収や控除がされる前の金額なので、「30万円」と記入する必要があります。
ここを「26万円」と記入してしまうと、引き落としされる社会保険料の金額が誤ってしまうので、注意が必要です。
「支払基礎日数」には勤務した日数を記入
「算定基礎届」には、社員に支給する給料の金額だけでなく、1ヶ月で何日働いたのかを記入する箇所があります。

ここの日数は、給料の締め日と支払日のルールによって変わります。

やりがちなのが、
- 「4月は1日から30日までだから30日、5月は31日」というように、単純に1ヶ月間の日数を記入してしまう
- 「給料を支給したのは25日だから25日」と、支給した日を記入してしまう
という間違いがありがちです。
経理にも影響する
「算定基礎届」あるいは「月額変更届」に間違いがあると、経理にも影響が出ることがあります。
社員に支給する給料から控除する社会保険料は、経理上は「預り金」として処理することが原則です。
これは会社が負担する費用ではなく、あくまで社員が負担する社会保険料を会社が一時的に預かっているだけであるためです。
仮に「算定基礎届」の報酬金額が誤っていて、毎月引き落としされる社会保険料に誤りがあると、この「預り金」の反高が不整合になることがあります。
給与計算ソフトで計算された社会保険料と、年金事務所に届け出ている社会保険料の金額とが相違する可能性があるためです。
預り金はBS科目なので、ただちに税金の金額に影響が出るわけではありませんが、望ましい状態とはいえないでしょう。
もし誤りに気づいた場合には、年金事務所に連絡して、早めに修正するようにしましょう。
▪️編集後記
昨日は午前は会計士業。Excelでシミュレーション作業をしていました。
午後はオフ。
▪️娘日記
顔に小さい引っかき傷が。自分の爪で引っ掻いてしまったのかも(切るほど伸びていないのですが)。
でも数日でほとんど治っています。若いってすごい。