目標を設定することも重要ですが、それよりも、具体的に何をするかという行動を設定することのほうが重要かと思います。
目標の設定はほどほどに
新しいことにチャレンジしたり、仕事をするときは、必ずと言っていいほど目標の設定をすると思います。
自分で設定することもあれば、会社から目標を提示されることもあるでしょう。
管理職であれば、自分が管理する部門の目標の設定を求められるかもしれません。
仕事やプライベートの趣味でも、目標を設定するということはある意味常識といえるかもしれません。ゴールなしに何かをはじめようとしても、どのように進めばいいかもわからないのだから、まずはゴールとして、「部門の売上を〇%アップする」とか「フルマラソンで〇時間以内にゴールする」という目標を設定します。
しかし、目標は必ずしもなくてもいいのでは、とも思います。
目標を設定するかしないかは、結果にはあまり影響しないと思います。
フルマラソンで4時間以内にゴールするという目標は、ランナーであれば多くの人が設定する目標だと思いますが、全員がそれを達成できるとは限らないでしょう。練習不足だったり、練習の仕方を間違えてケガをしてしまえば結果は伴いません。
目標の設定は重要ではありますが、目標がないとダメというものでもないと思います。
準備にずっと時間を使わない
わたしが若手のサラリーマンだったとき、ロジカル・シンキングを学ぶように上司からよく言われていました。
何か解決すべき課題があるとき、まず「あるべき姿」を決め、次いで分析をして「現状」がどうであるかと規定し、「あるべき姿」と「現状」との間にあるギャップを「解決すべき課題」とし、その解決のために何をすべきなのか(アクションプラン)を考えるというようなことだったかと思います。
目標の設定というのは、この「あるべき姿」を考えることに近いかもしれません。
何を解決すべきなのか、何がしたいのかが明確にならないと解決すべき問題も不明確なままなので、まずは目標を明確にし、進むべき道を見失わないようにすることが重要です。
これは重要なことだと思いますが、考えることばかりに時間を取られすぎないようにしたいものです。
「行動せよ」とは良くいわれるものの、実際にはなかなか時間がなかったり、失敗したら恥ずかしいという気持ちが出てしまいがちです。だからついつい準備や検討に多くの時間を使ってしまいますが、あまり準備に時間を使わず、サクッといろいろ始めてみて、そのあとで目標を設定してみるでも遅くはないと思います。
必ずしも目標がなくても良いのではとも思います。
「目標を忘れて、仕組みに集中しよう」
「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」では、目標を設定することよりも、取り組むべき仕組みの方が結果に影響を与えると述べられています。その理由として、
- 勝者も敗者も目標は同じ
- 目標達成は一時的な変化にすぎない
- 目標は幸福を制限する
- 目標は長期的な進歩と相容れない
という4つの理由を上げています。
目標を設定すると、その目標を達成したらまた新しい目標を決める必要があります。しかも、目標を達成することが幸福であって、目標までのプロセスは幸福になるための一種の「苦行」のような印象をもってしまいます。
目標という「結果」にとらわれず、そこに至るまでのプロセスに価値を見いだせれば、努力も苦にはなりません。
目標をもつことも大事ですが、それよりも、実際に行動できるようにするための仕組みをつくることの方が大事かと思います。