Excelやパワーポイントの資料で、印刷したときの体裁を整えるための工夫をいろいろ若手時代に教えられました。時代が変わり、そういった資料の体裁を整える必要性も変わってきています。
若手時代に教えられた配色、フォント、印刷設定
私が新入社員だったとき、Excelで作成した資料について、最終的に印刷したときにキレイに見えるように体裁を細かく整えることを教えられました。
- 配色に原色を使うべからず
(薄い色を使い、使う色も限定する) - フォントはデフォルトのものを使うべからず
(英数字はCentury GothicあるいはArial、日本語はMSゴシックあるいはメイリオ) - 印刷設定の拡大/縮小の倍率は65%まで。それ以上縮小すると印刷したときに文字が小さすぎて見にくくなる。
- 行の幅は15(20ピクセル)より細くするべからず など
私が新入社員だった10年前は、お客様や上司に提出するExcelの資料は印刷して紙で出すのが当たり前でした。なので、画面上だけでなく、印刷して紙に出した場合の出来栄えも確認するために何回も印刷し直していました。
Excelに限らず、パワーポイントで資料を作るときも、最後は印刷して紙での出来栄えもチェックすることが必要でした。
しかし今では、紙で印刷してチェックすることも激減しました。
印刷設定に時間をかける必要性も下がっている
今は紙で印刷することを前提にした体裁のチェックはだいぶしなくなりました。
資料はPDFを画面共有、印刷しようとしてもリモートワークで複合機もないので、印刷する場面がありません。
そもそもサイズも、A4サイズではなく、PCの画面に合わせたワイド画面が主流です。A4サイズを前提に資料を作ってWeb会議で画面共有すると、少し縦長で横幅に余白ができてしまいます。
昔のように、印刷して印刷の範囲漏れや誤字脱字チェックをする必要もなくなり、むしろそういうことに時間をかけることは無駄になっているのかもしれません。
読み手を意識する訓練は必要
紙での印刷を前提とした体裁のチェックは必要性が下がってきていると思いますが、読み手を意識した資料づくりはいつの時代でも必要なスキルです。
1ページの中に必要以上に文字や図表を盛り込みすぎないとか、情報を羅列するのではなく、結論から入って各論に入っていくような構造的な資料構成にするとか、そういった読み手にストレスにならない資料を作ることは必要です。
そういう点で、若手時代に教え込まれた体裁への配慮は貴重な訓練だったと今では思います。
紙ではなくPCやスマホの画面で資料を見ることが増えましたが、手段は変わっても「読み手にわかりやすい資料づくり」という目的を意識した資料づくりの試行錯誤は必要です。