会計士にとって、電卓はずっと相棒のような存在です。でも、手放すという覚悟も必要なときがあります。
電卓は相棒
会計士や税理士という仕事では、電卓は必須の道具です。仕事のときだけでなく、受験勉強のときから使い続けているものです。
機種やメーカーによって感覚が違うため、何年もずっと同じものを使い続けることも多いと思います。
勉強も仕事もずっと苦楽をともにしてきたものなので、愛着はあります。
壊れても修理に出して同じものを使い続けていました。他の仕事道具は壊れたら買い換えることが多いですが、もう販売終了していて同じ機種を買うことはできず、かといって新しい機種に変える気にもなれなかったです。
ですが、今は使用頻度が高くありません。電卓を頻繁に使うような仕事が減ってきているからです。
電卓を使わないという覚悟
電卓を使う仕事というのは、試算表や月次報告資料の検算(タテ計、ヨコ計)、紙の資料にある数字の集計が主なものだと思います。
検算も集計も、Excelでできるものです。むしろ、Excelの方が正確かもしれません。
検算が必要であれば、最初からExcelの関数を入れておき、集計に誤りがあればエラーになるようにすることができます。ちょっとした数字の集計も、Excelの新規ブックを起動して集計することができます。
電卓を使うと、計算結果を改めてExcelなどに入力する必要があります。また、後からExcelを見たときに、数字が値で入力されていると、どういう計算でこの値が入っているのかがわからなくなります。
これは結構致命的です。特に複数の人が同じExcel資料を見る場合、計算過程のない数字があるとそこで作業が停滞します。
「電卓の方が早い」という考え方もありますが、ある面では非効率ともなりえます。
どちらが正しいというものではありません。「どういう仕事をしたいか」という覚悟の問題だと思います。
道具から仕事のスタンス・覚悟を考える
長年電卓を使い続けてきた人間からすると、「電卓でチェックしないと気が済まない」という衝動に駆られます。
紙で印刷した資料の、数字がある部分は全て電卓で検算し、チェックマークを残すというのが染みついているのです。
だから、なかなか電卓を手放すことが出来ません。
また、紙の資料でやりとりをしていると、電卓を使わざるを得ないでしょう。
どういう仕事が多いかで、使ってくる道具も変わってきます。
電卓はあまり使わないようにはしていますが、それは「電卓をたくさん使うような仕事をしない」という覚悟の現れでもあります。
- 紙で資料のやりとりをせず、データでやりとりする。
- データから関数で集計&検算できるようにする。
そういう仕事の進め方を好む人と仕事を進めていきたいため、「電卓を使わない」という覚悟を選んでいます。
仕事のスタンスを考えるにあたり、まずは道具の選定から考えることもいいのではないかと思います。