中小企業のバックオフィスの実態調査。手書きで経理している事業者も多い

商工会議所から、「中小企業におけるインボイス制度、電子帳簿保存法、バックオフィス業務の実態調査」の調査結果が公表されました。小規模企業では、手書きで帳簿作成(経理)をしているところが40%弱あるようです。

目次

商工会議所調査「バックオフィス業務の実態調査」

日本商工会議所から、「中小企業におけるインボイス制度、電子帳簿保存法、バックオフィス業務の実態調査」というアンケートの調査結果が公表されました。

https://www.jcci.or.jp/news/news/2024/0909113000.html

インボイス制度や電子帳簿保存法、定額減税など経理・人事などのバックオフィス業務で対応することが増えたことを受けて、実際に商工会議所の会員企業はどれぐらいバックオフィス業務に時間やリソースをかけているのかを調査したものです。

調査結果の概要は以下の通り。
インボイス制度の対応とか電子帳簿保存法の対応がメインではありますが、バックオフィス業務の調査結果が興味深いです。

「帳簿作成」や「財務諸表作成」といった経理業務を手書きで行っているところが、規模が小さいところでは4割弱、売上が1億円を超えていても5%というのは、けっこう多いという印象です。

e-Taxを使わない理由は、「税理士が対応していないから」

別の集計結果では、電子申告(e-Tax)への対応状況があり、小規模な会社では25%ぐらいが紙で申告書を作成しているようです。

ただ、その電子申告に対応していない理由が「顧問税理士が対応していないから」というのは気になります。

  • 社長などが自分で経理 → わかる(むしろ自分で経理できるならそうすべき)
  • 経理を手書き → わかる(社長が自分でやってたら慣れてる手書きになることもあるかと)
  • 顧問税理士が電子申告に対応していない → ??

私も紙で申告書を作ったことがあるので、電子申告に対応していない税理士がいるのは何となく想像がつきます。
でも、「対応できるけどしない」のと「対応できない」とではまた事情が違うかなと。

e-Taxは事前に申請や準備が必要だったりするので、急ぎで申告書を提出しなければならない場合、紙で申告書を提出することはあります。
でも、そういう事情がないのに電子申告していないとなったら「それはどうかな」とも思います。

「紙がなくても仕事は回る」という覚悟

私の自宅兼事務所にはプリンターやコピー機はありませんし、FAXもありません。スキャナもありません。
経理の帳簿類は、クラウド会計ソフトにデータを保存しています。

仕事をするうえで、紙がないとできないことはほぼありません。社会保険の手続などで紙資料の提出をすることはありますが、基本的には紙を使わなくても仕事はできます。

理論的には紙を使わなくても業務は回せますが、それでも手書きや紙の業務がなくならないのは、「仕事のやり方を変えるのが面倒」というのがあるでしょう。

DXというと、新しいITツールや設備を導入するイメージがありますが、そういう道具だけでなく、「紙は使わない」という覚悟というか、働く人の気持ちから変えていく必要があるでしょう。

DX化のためには、CX(カルチャートランスフォーメーション:会社の文化を変革する)、そしてPX(パーソナルトランスフォーメーション:働く人の意識を変革する)が大事とも言われます。
こういう言葉遊びみたいなのは私はあんまり好きじゃないですけど、この考え方は大事だとは思います。

人の意識が変わらない限り、どれだけ技術が進展しても、その技術が社会や会社に実装されていくことは難しいものです。



▪️編集後記
昨日はオフ。私の実家の両親と妻と墓参り。コメダで昼食後、車を見にカーディーラーへ。
奈良に来て半年ぐらいですけど、「車がないと生活できない!」というレベルではないですがやっぱりあったほうが便利と感じることもあります。
でも、まあ必須でもないですし、当面は見送りですね。

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