「会計」という言葉には、数字を見たりとか、指標を使って分析をするイメージがあります。それも間違ってないですけど、それだけではない深い意味もあると考えます。
「夢に踊らされない」のが会計思考
「会計的にものを考える」というのは、「夢に踊らされずに、冷静に事実を見て考える」ということです。
社長は、夢やビジョンにあふれています。
- 会社を成長させてIPOさせる
- 従業員を幸せにする
- 社会貢献をする
- 自己実現する
- 金持ちになる
どれも素晴らしいことです。
一方で、夢だけ語っててもどうにもならないこともあります。
銀行からお金を借りたいと思ったとき、もちろん会社のビジョンや将来性も大事です。
ですが、それだけでなく、
- 冷静に見て現状は業績が良いのか悪いのか
- それは何が原因なのか
- 計画を実現するための障壁となるリスクは何か
こういった現実的な視点も必要です。
そういう夢に踊らされない現実的な情報を可視化したものが「決算書」です。
そして、その決算書を使うための道具が会計(経理)です。
事業計画などで夢を語る一方で、決算書で夢ではない現実の情報を見せる、というのが、ビジネス上のコミュニケーションというものです。
銀行融資で税理士が重宝される理由
銀行の窓口に飛び込んで融資の申し込みをするパターンと、顧問税理士などの紹介から銀行融資の申し込みをするパターンとだと、やはり税理士経由の方が銀行からの信頼度は上がるでしょう。
それは、税理士が会社の内容をよく知っているという事情もあります。
でも、それだけでなく、税理士は「会計的な視点で会社を見れる」からです。
(そうじゃない税理士もいるかもしれませんが)
社長が語る夢や希望だけでなく、現実的に返済する能力があるのかを、夢に踊らされずに語ることについては、税理士に一日の長があります。
数字を見たり分析することが会計思考ではない
「会計思考」というと、決算書を分析するとか、「ROA」とか「自己資本比率」のような指標を駆使することをイメージするかと思います。
それも間違ってはいません。実際に、そういうことを説明した書籍もあります。
しかし、もっと根本のところでは、決算書を分析することも指標を駆使することも、「いかに夢に踊らされないか」を目的にしたものです。
同じ数字でも、夢を反映するものもあります。それが株価とか時価総額です。
これは、その会社に対する投資家の期待が反映されます。
利益が出ていなくても、債務超過になっても、将来性が高いと投資家が判断すれば株価は上がります。
それも会社に対する期待を表すものとしては参考になる情報ですが、夢に踊らされない地に足の着いた情報もまた有用であるはずです。
そういう意味では、会計は夢を語らない・語ってはいけないものともいえます。
指標分析とか決算書を読むテクニックだけでなく、情報やデータがどういう性質のものなのかを考えることも重要です。
▪️編集後記
昨日は午前中は娘と外出。9月になっても暑いので、近くの百貨店の店内で涼んでいました。
午後は銀行主催のセミナーに参加。
▪️娘日記(0歳)
午前中は娘とスタバに行ったり西大寺の百貨店に行きました。
特に買うものはなかったですが、平日なので人も少なく、涼しかったです。