「どこでも仕事ができる」ことのデメリット

10年ぐらい前に、「ノマドワーク」という言葉が流行っていました。オフィスに縛られず、いつでもどこでもパソコンとスマホで仕事をするスタイルは、社会人になりたての私には眩しく写ったものです。

コロナになり、リモートワークが一気に普及しました。
医療関係やインフラ関係など、現場に行かないとできない仕事を除き、「リモートワークを推進している会社は新しい。逆にリモートじゃない会社は旧態依然とした古い会社だ」みたいな言説も多く見られました。

確かにリモートワークのように、「いつでもどこでも仕事をする」のは、どこかかっこ良い雰囲気があります。
でも、全ての仕事をリモートで完結できるかというと難しいでしょう。

私も仕事のほとんどはリモートですが、万能なものではないと感じています。

目次

コンマ数秒のタイムラグ【Web会議】

ZoomやGoogle Meetを使えば、場所を問わず打ち合わせやセミナーを実施できます。
便利ではありますが、ネット環境に依存することが多いです。

自分あるいは相手のどちらかのネット環境が悪いと、フリーズしたりラグが出てまともに打ち合わせができないことがあります。

ネット環境が悪くなくても、コンマ数秒のタイムラグはあったりします。

「どうですか?」

「・・・」

「あ、聞こえてます?」

「私はですね、〜〜〜。あ、聞こえてますよー」

みたいな海外との衛星中継みたいなすれ違いが出ることもあります。
小さいことですけど、積み重なるとけっこうなストレスです。

マイクがミュートになってなくて、生活音が会議中に聞こえてくるのも、集中できないときがあります。
Web会議は便利ですが、対面の会議と完全に入れ替えられるものではないでしょう。

チャットだけでは済まないこともある【チャット&メール】

メールだけでなく、Slackなどのチャットも普及していますが、Slackがあるからといって対面での会話はゼロにはできません。

Slackのようなチャットも利便性はかなり高いです。
議論の経緯をあとからでも確認することができますし、物理的に距離が離れていても、メールのような「お疲れ様です」や「お世話になっております。」を入れずに気軽にコミュニケーションがとれます。

でも、みんなが思いつきでチャットしていると、スレッドが乱立してどこに何を書いていたかわかりにくくなることもありますし、これはこれで情報の整理に苦しみます。

また、文章だけだと相手の感情が読み取れないことは多々あります。

「マルハラ」というように、文章の最後につける「。」に圧を感じる人が増えていると話題になったことがありますが、文章だとあらぬ誤解が生じることがあります。
相手の表情や声色によって、相手の意図を読み取ることは案外重要だったりします。

ただし、電話は別です。
電話は突然かかってきて心をかき乱されますし、声色といっても所詮は電子音なので、本当の意図は電話ではわからないです。

対面を軽視してはいけない

「対面でなければ仕事じゃない」とまでは思いませんし、どちらかというとリモートワークを推進していきたい派ではあります。

ただ、だからといって対面を軽視してはいけないとも思います。

表情の動き、声の質、他の参加者の雰囲気など、現場でこそ感じ取れる空気感は確かにあります。

物理的にどうしても距離があって対面で会うことが難しい場合はフルリモートで対応していますが、そうでない場合は、少なくとも1回は直接お会いするようにしています。

私はいま「どこでも仕事」ができる状況にしていて、そのおかげで家事も育児も、仕事と両立することができています。
「いつでもどこでも仕事」をすることはフリーランスの特権ともいえますが、それが必ずしも良いことばかりではありません。

相手の感情を読み取れないことで、的外れの成果品を出してしまっていては、仕事のパフォーマンスは上がりません。
独立後には死活問題でもあります。

「いつでもどこでも仕事」をできるようにするには、

「対面を軽視してはいけない」

ということが一つの重要な要素ではないかと思います。



▪️編集後記
昨日は午前中は税理士業。午後から産婦人科へ娘の2週間検診へ。
その後、自宅に戻って作業。
23時57分にブログ投稿。最近は日付が変わる直前のヘッドスライディング投稿が続いています。時間の使い方を再考しなければなりません。

▪️娘日記
2週間検診で産婦人科へ。退院時以来のチャイルドシートですが、ずっと落ち着いて寝ていまいした。

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