経理は簡単ではない。だからこそ、自分でやらなければならない

自分でやってみる(料理を)

私は経理を社長自身がやることを推奨しています。しかしそれは、経理が簡単だからではありません。むしろ簡単ではないからこそ、自分でやるべきものだと考えています。

目次

経理は簡単ではない

経理は業務に直接関係しないバックオフィスの業務で、売上が上がるわけでも利益を生むわけでもない、コストだけがかかる業務だと捉えられています。

経理のような面倒な業務は税理士やスタッフに丸投げして、社長自身は営業やマーケティング、製品開発などのいわゆる「本業」と言われるものに集中するという考え方もあるでしょう。

一方で、書店で経理関係の本を見ると、「初心者でもわかる」「一番わかる」といった宣伝文句の入門書が並んでいます。

私は、経理は税理士や専門のスタッフに任せるのではなく、社長自身ができるようになったほうがいいと考えています。

しかしそれは、書店にあるように「経理が簡単で、誰でもできるから自分でやる」ということではありません。

むしろ、簡単ではないからこそ、社長自身が時間をかけて責任を持ってやるべきものと考えています。

あわせて読みたい
経理は簡単ではない 誰でも税理士なしで経理はできるのかどうか。できることが理想ではありますが、現実的に難しい部分もあります。向き不向きもありますし、経理は簡単とはいえません。 誰...

「簡単だから自分でやれる」というロジックだと、裏を返すと簡単ではない、複雑なものだったら、社長は自分でやらなくていいということになるのでしょうか。

私はそういうものだとは思いません。

経理も、営業やマーケティングと同じく「本業」に位置する業務だと考えているからです。

営業は簡単だから自分でやるのか

営業やマーケティングは社長自身が行っているという会社もあるでしょう。

人を雇っていたら、部下のマネジメントやプロジェクト管理なども社長自身がやっているということもあるでしょう。

それらを社長が自分でやるのは簡単だからやっているのではなく、それが会社の売上や利益のために必要なことだからやっているはずです。

経理も同じです。

経理をやって売上が増えることはないですが、コストを適切に管理していけば利益を増やすことができる可能性があります。

であるならば、営業やマーケティングと目的は同じです。

会社の成長のため、あるいは会社が生き残っていくために、営業やマーケティングと同様、経理も社長自身がやるべきでしょう。

それは経理が誰でもできる簡単なものだからではなく、会社のために必要なことだからです。

私は税理士として独立しています。

もちろん税理士なので経理や税金に関しては強みがありますが、営業やマーケティングといったことは独立前は全く経験がありませんでした。

それでも一人で独立している以上、営業もマーケティングも自分でやらなければいけません。

税理士業じゃなくても、他の業種でも同じではないでしょうか。

独立、あるいは起業する時、それまでに培ったスキルを活かすと同時に、営業やマーケティングも社長自身がしていく必要があります。

経理も同様に自分でやらなければいけないものだと思っています。

経理や税金というと、税理士や他の詳しいスタッフに任せるという常識のようなものがあります。

でも原則で考えれば、営業も経理もマーケティングも製品開発も、あらゆる業務は社長が自分でできるようになることが原則です。

その中で、お金に余裕が出てきたとか、もっと役割を細分化したいということがあるのであれば、外注するなり、人を雇えばいいと思いますが、基本は全部一人でもできるようになることが経営だと思っています。

経理は完璧にやらないといけないのか

経理は専門の税理士やスタッフがやるものという常識の根底にあるのは、

「経理は間違ってはいけない」「税金を間違えると税務署から怒られるのではないか」

といった勘違いがあるからだと思います。

もちろん年に1回の決算ではある程度正確に作っていく必要があるでしょう。税制は複雑なので不安なのであれば、税理士などに確認してもらうことはしてもいいかもしれません。

ただし、経理は税金を計算するためだけにやるものではありません。

日々のお金がどれくらい動いているのか
毎月末のお金はどれくらいあるのか
将来どれくらいお金が増えて減っていくのか

といった業績の見通しを立てるためにも経理は行われます。

そういった経営のための経理は、厳密に正確に作る必要はありません。

Excelで「いつ」「何に」「いくら使ったのか」の3つの情報を記録しておけば、あとはいかようにも集計できます。

間違わないのが理想ではありますが、変に正確性にこだわりすぎると自分でやることのハードルが上がってしまいます。

Excelなどで、「いつ」「何に」「いくら」使ったのかという情報を記録しておき、それをExcelのピボットテーブルなり関数を使って集計し、自分が見たいと思っている業績を把握する。

それが一連の経理業務です。

「数字は苦手」というのは「営業が苦手」と言っているのと同じです。苦手だからやらなくていいというものではありません。

社長ならば全部自分でやるという覚悟は持っておくようにしましょう。



▪️編集後記
昨日は娘のハイハイレースに出場。その後自宅で動画資料の作成など。

▪️娘日記(0歳)
ハイハイレースは、見事に1位になりました。周囲にも多くの人がいましたが、気に留めることもなくマイペースに進んでいきました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次