コンサルタントの使い方

サラリーマン時代にはいろんなコンサルを受けていましたし、私自身も「コンサルタント」といわれるような仕事をしたこともあります。普通の社員と、コンサルとでは、考え方や仕事の進め方にも違いがあると感じています。

目次

コンサルタントの特徴

事業再生、IPO、経理支援などのいろいろなコンサルを受けてきましたし、自分でもコンサルタント業務を少し行ってきたこともあります。

また、元コンサルタント出身の人が一般企業に転職してくることもよくあります。

コンサル出身の人は多くの方が非常に優秀ですし、尊敬できる人ばかりでした。

ですが、そうでない人もゼロではありません。何か施策を考えたり分析したりするのは得意でも、実際に施策を実行することは不得意な人もいたりします。

良くも悪くも、コンサルタントには以下のような特徴があると思います。

分析が得意

課題をいくつかの種類に分類したり、課題を可視化することは得意な人が多い印象です。おそらく研修や上司からのフィードバックを通して徹底的に鍛えられるのでしょう。なので、自社で今どういうところに課題があって、それはどういう種類の課題なのかを明確にするためには、コンサル的な分析は役立ちます。

客観的な視点を持っている

上記にもつながりますが、課題を分析することを通して、自社を客観的な視点で俯瞰してくれるのがコンサルの役割です。

私がサラリーマン時代、採用に悩んだ時期があって、どういう人材をどのポジションで採用すればいいのかわからなくなった時期がありました。そのときに相談した元コンサル出身の人が、現在部署内にいる人材とそのスキル(専門性がある人なのか、馬力がある人なのか、人当たりが良い人なのかそうでないのか)をマッピングして、どこの要件の人が不足しているのかを可視化してくれたことがあります。

このような客観的な視点での分析をすることには、コンサル出身の人を活用する大きなメリットだと思います。

手を動かせるかは未知数

一方で、分析をして施策が明確になったとしても、その施策を実行までできるかどうかは未知数です。

分析までは得意でも、社内の人を巻き込んでゴリゴリと施策を推し進めていくというのは、ロジカルシンキングとかの思考法とは違うスキルが求められます。

もちろんそのような施策の実行もできる人も多いと思いますが、コンサル出身かどうかは関係ないでしょう。「コンサルは理想ばかり言う」と思っている人も多いのではないかと思います。

コンサルタントはクライアントの社員ではない

コンサルは理想ばかり言って役に立たないのかと言うと、そういうわけではありません。むしろ、理想を考えてくれるからこそ価値があります。

現状を分析し、課題を把握して、そこから導き出される解決策を、客観的な視点で見つけてくれるのは、コンサルの価値です。社内に長くいると、だんだん視野が狭くなり、客観的な視点がなくなっていきがちです。

視野を広げてくれるのが、コンサルの存在価値といえるかもしれません。

コンサルタントの使い方

コンサルタントは、会社の問題を全部解決してくれる魔法使いではありません。あくまで外部の視点から、自社の課題を分析してくれる人たちです。コンサルを受ける立場になった場合、コンサルは以下のように使うのが賢明だと思います。

社内だと言いづらいことを、コンサルを通して言ってもらう

上司や他部署に何か課題があって、対応してもらう必要があっても、なかなか言い出しづらい状況もあったりします。

営業の現場を知らない経理の人間が口を出すことが難しい、部下の立場で上司に何かお願いするのが難しい、というような状況があれば、社外のコンサルを使って、「コンサルがやれと言ってるので・・・」と理由を付けてお願いすることもしやすくなります。

思考法を学ぶ

コンサルの人が披露する分析やロジックの展開は、「さすがやな」と思うことが往々にしてあります。

現場で仕事をしていると、なかなかそういったロジカルな考え方をする場面が少なく、とにかく目の前の仕事をこなしていくだけになることがあります。

コンサルタントの分析能力や課題を識別するスキルは、学ぶところが多いです。

コンサルタントの仕事は、思考法という点では大きく役に立つこともありますが、実際に社内で課題を解決していくには、いろんな人を巻き込み、自らも手を動かし、どぶ板的に突き進んでいくことが必要になることもあります。そういうことは、コンサルタントではできないこともあります。コンサルタントに頼めば何でもやってくれるとは考えず、あくまで助言や背中を押してくれる存在として、コンサルタントを活用することが重要だと思います。

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