「電話の方が速い」という人がよくいます。速く済むのは電話をかける側だけで、受ける方はむしろ時間を奪われるので、電話は好きではありません。
電話を受ける側は時間を失う
電話を頻繁に利用する人の言い分として、「電話のほうが速い」というものがあります。
わざわざメールやチャットで文章を送るよりも、電話で手早く話したほうが早くコミュニケーションが取れる、という意味でしょう。
また、電話であれば場所を選ばずに連絡を取ることも可能です。
車の中でも、自分が運転していなければ、助手席や後部座席から電話で誰かと話すこともできます。運転中でも、ハンズフリーで話すこともできるでしょう。
屋外の路上でも電話はかけられます。路上でメールを打つのは「歩きスマホ」なのでマナーが良くありませんが、電話であれば、なんとなく許される雰囲気もあります。
思いついた時にすぐに連絡が取れるという点で、電話を使いたい人は多いのかと思います。
しかし、かける側にとってはそれで良いのかもしれませんが、電話を受ける側は、こちらの都合に関係なく突然連絡が来て、それまでやっていたことを中断されてしまいます。
結果として、受ける側は時間を失います。
私が電話をかけるのが苦手なのは、相手の都合を考えてしまうからです。
「今は忙しいだろうから、ここで電話をかけたら迷惑じゃないだろうか」といった余計なことを考えてしまいます。
それは、私が逆に電話を受ける側だと、何かに集中している時に突然電話がかかってくると集中が途切れてしまい、作業が進まなくなってしまうことがよくあるからです。
電話だったら証拠が残らない?
「電話の方が速い」という理由以外に、「電話だと証拠が残らない」という考えもあるように思います。
メールやチャットはテキストで記録が残ってしまいます。
センシティブな話題が出てくる時は、記録が残るテキストベースよりも音声でやり取りした方が、後々のトラブル回避にもなるかもしれない、ということもあるかもしれません。
私も税理士業をやっていく中で、微妙な判断が必要な事例に出くわすことがあります。
そういう時は、メールだと記録が残ってしまうため、後々のトラブルにつながるかもしれません。
(そういったトラブルに遭ったことはありませんが)
しかし、電話であっても録音されれば記録は残りますし、あまり関係ないかなと。
また、本当にテキストで残さない方がいいものについては、Web会議を行うようにしています。
ただ、Web会議も録画されていたら結局記録が残ってしまいますし、どんな連絡手段でも大差はないように思います
少なくとも、電話だからトラブルにならないということはないでしょう。
人に任せるのは効率化ではない
電話は、かける側にとってはメールを打つためにわざわざパソコンを開く必要もないし、メールの文章を考えなくても良いので手っ取り早いと言えるでしょう。
しかし、電話を受け取る側、話を聞く側は、相手が何を言いたいのかといったことを話を聞きながら整理する必要があります。
メールの場合は、送る側が伝えたい内容を整理した上で送ります。電話は、その「整理する」という作業を受け手側にも任せているともいえます。
電話をかける側にとってはコミュニケーションの効率化ができているのかもしれませんが、それはコミュニケーションにかかる負荷を受け手側に配分しているだけともいえます。
そういうのは効率化とは言えません。
税理士事務所の所長が、自分では手が回らなくなってきたからと人を雇って、そのスタッフに仕事を全部押し付けているのと似たような構図です。
人を雇えば効率化されているというわけではありません。
そこまで電話を悪く言うつもりはありませんし、私も電話をかけざるを得ない時はあります。
しかし、「電話をかけた方が早い」という考え方は、ないかなと思います。
▪️編集後記
昨日は午前中に税理士業。その後、ご紹介いただいた弁護士さんと面談。
午後は動画収録など。
▪️娘日記(0歳)
少しずつハイハイに近い動きをしてきて、手をついて数歩移動するようになりました。
なかなかハイハイまでいきませんが、できるようになると今まで以上に動き回るんでしょうね。