独立すると、安定収入を求めてしまいがちです。ある程度生活に必要な資金は安定的に欲しいところですが、こだわりすぎるのも良くないと思います。
「安定収入」の誘惑
独立すると、給料という安定収入がなくなるため、何とかして安定的な収入を得る誘惑に駆られます。税理士や弁護士であれば顧問業務は主要な売上になりますし、会計士であれば監査の非常勤なども定期的な収入になります。
営業されるときも、「安定収入」が営業トークに使われます。
独立当初、税理士紹介会社からひっきりなしに電話やDMが送られてきました。
その中には、「顧問をたくさん獲得して、安定収入を築きましょう」という謳い文句が多くみられました。
独立している士業には、刺さる言葉なんだと思います。
実際、独立していると仕事(お金)の不安は常につきまといます。その日のメンタルによっては、軸がブレそうになることもあります。
しかし、安定したいのであれば、できるだけ大きくて儲かっている会社に就職して給料をもらうのが一番です。「安定収入」という言葉には魅力がありますが、独立して自分で稼ぐという覚悟を決めた以上、安定も捨てた方が良いかと思います。
安定することのデメリット
「安定収入」とは、裏を返せば「働き放題のサブスク」の契約をしているとも言えます。
- 時間が拘束される(平日朝から夜まで。場合によっては土日深夜も)
- 場所が拘束される(同じオフィスに通勤)
- 上司・クライアントにホウレンソウ
- クライアントや上司から連絡が来たら優先的に返事しなければならない
- いつでも仕事のことを気になってしまう
安定的な仕事は、それだけ制約も多くなりますし、「重み」もあります。
もちろんその「重み」をお客様といっしょに引き受けて、支援をしていくということも大切ですが、仕事に振り回され、疲弊し、心身ともに崩れてしまってはいけません。
独立すると収入が安定しないという不安がありますが、安定したからといって不安がなくなるわけではありません。
安易に安定を狙うと、かえって余計に心身を傷つける可能性もあります。
安定しないから、自由がある
独立をしたいと思う人は、「自由になりたい」という意欲がある人が多いのではないかと思います。
うっとうしい上司から解放されたい
毎日満員電車に乗りたくない
しょうもない会社の規則やイベントに参加したくない
でも、そういったいろんな制約は、安定を得ることの対価でもあります。
安定しないからこそ、自由でいられると思います。
もちろん、食べていくためのお金は安定的に得たいところではありますが、それ以上のお金を得るのに、安定収入は積極的に求めない方が、精神衛生上は好ましいかもしれません。