サラリーマンとして仕事をしていて、ストレスの大きな要因になるのが上司や部下との人間関係でしょう。特に上司とのコミュニケーションで、前言ってたことと違う指示をされたりすると大きなストレスになります。
「前言ってたことと違うやん・・・」
部下が上司に対して不満を持つタイミングとして、「言ってることがコロコロ変わる」というのがあると思います。
指示を受けた部下からすれば、上司に指示された通りに仕事をしたはずなのに、いざそれを上司に見せると全然違うことを言われてやり直しになる。そういうことが起こると、部下としては強い不満を抱きがちです。
あるいは、上司の指示が抽象的な内容に終始していて、部下が仕事の成果を見せても、「そもそも〇〇ではないのか」という曖昧なフィードバックしかないと、「じゃあどうすればいいのか」と不満を持ってしまう部下もいると思います。
こういったことはサラリーマンの愚痴の定番かと思いますが、なぜそのような現象が起こるのでしょうか。
私が思うに、上司は別に何も考えずに話をコロコロ変えているわけではなく、上司と部下とで見ている景色が違うことが原因だと思っています。
部下にとっては違う話でも、上司にとっては同じ話
上司としては、社会も会社も日々刻々と状況が変わっていく中で、それに臨機応変に対応していく結果、細かいタスクベースでは多少の変化はあっても、大枠の課題ベースでは大きな変化はないと思っています。
一方、部下としては上司から受けた指示をこなすことが一番重要なので、細かいタスクベースで指示されたとおりに業務を進めようとします。
本来であれば、状況が変わっていけば逐一上司が情報を共有し、タスクベースで業務の内容が変わるようであればそれも逐一指示ができれば良いですが、忙しいとなかなかお互いそこまで密にコミュニケーションをとることは難しいです。
その結果、部下が行った業務の内容が、上司からすれば「思ってるのと違う」となり、それを指摘されると部下としては「前と言ってることが違う」となります。
大枠の課題感で仕事の状況を把握している上司からすれば同じことを話してるつもりでも、細かいタスクベースで仕事をしている部下からすれば、場合によっては全然違う話になってしまうのです。
上司は説明を怠らず、部下は「課題は何か」を意識する
仕事におけるストレスは、一概にどちらが悪いと断定できないことが多くあります。わかりやすくパワハラをするような上司であれば単純にその上司が悪いですが、そんな上司じゃなくても、お互いのちょっとしたボタンの掛け違いで、一生懸命仕事をしているのにストレスになることがあります。
上司の話がコロコロ変わるという現象も、上司が一概に悪いというわけではなく、その時々の状況に応じて最善の行動をしてきた結果だったりすることがあります(そうじゃない悪質なパターンもありますが)。
しかし部下の立場に立ってみれば、上司が「前言ってたことと話が違う」となると、非常に強いストレスになります。お互いが一生懸命に頑張っているのにこれは損です。
少しでもこういう状況を回避するために、上司はできるだけ状況が変わった場合の説明を怠らない努力が必要です。あるいは、指示したタスクが変わりそうな場合は、「前はこういう指示だったけど」という前置きをできるだけしておきたいところです。
上司からすればこの上なく面倒ですが、部下の心が離れるよりはマシだと思い、説明を怠らないようにすべきです。
一方、部下としても、細かいタスクベースだけで仕事を把握しようとせず、会社はどういう状況になっているのか、それが自分の仕事にどう影響するかにアンテナを張って、課題ベースで仕事を把握する努力をした方がいいでしょう。上司が見ている景色を想像し、細かいタスクでは変更があるかもしれないという前提で考えれば、「話が違う」とイラつくことは減ると思います。