コミュニケーションを密にすれば、組織は活性化するのか?

いろんなバラがある(これもバラの一種)

会社などの組織でパフォーマンスを高めようとするときの対策として、「コミュニケーションを密にする」、「情報連携をスムーズにする」とはよくいわれますが、コミュニケーションを密にして離職が減ったり業績が上がったりするものなのでしょうか?

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デスクの上にカバンを置く人

カフェとかオフィスで、たまに自分のカバンをデスクの上に置く人がいます。
私は何か不潔な感じがするのでやらないのですが、特に気にならない人もいるのでしょう。
あるいは、自分のカバンを何が落ちてるかわからない床とか誰が座ったかわからない椅子に置きたくないのでしょう。

カバンをデスクに置くほうが「不潔」と思う人もいれば、デスクに置かないほうがカバンが汚れて「不潔」と思う人もいます。同じ状況を見ても、その人の価値観によって解釈は正反対です。

また、別の話ですが、フルマラソンの大会に出ると、ゴミのポイ捨てがかなり目立ちます。特に給水所付近では紙コップが道端に散乱しています。

これも価値観の違いでしょう。

せっかく高いお金を払って参加したのだから、目標のためには(完走とかサブフォーとか自己ベスト更新とか)ちょっとぐらいのポイ捨てもやむなしと思っているのかもしれません。
私はそういうふうには考えられません。ポイ捨てするぐらいなら途中リタイヤするかそもそも出場しない方がいいと思うのですが、いろんな人がいるものです。

会社などの組織で仕事をしていると、いろんな考えの人と関わる必要があります。
そういう人と、コミュニケーションを密にしたところでうまくいくのでしょうか。

コミュニケーションをたくさんしても、解釈はバラバラ

コーチングには「傾聴」というスキルがあります。
相手の話すことに批判することなく耳を傾け、理解しようと努めれば、相互理解が深まる。
それによって相手も「話を聞いてもらえる」という安心感から承認欲求が満たされる。
承認欲求が満たされれば、(マズロー的な)より高次の「自己実現欲求」が芽生え、自発的に働いてくれるようになる。
みたいなことが「傾聴」の目的のようです(多分)。

それがうまくいくパターンもあると思いますが、どうしても理解できない思考や行動をする人はいるものです。
机の上にカバンが置かれている状況を「不潔だ」と思う人もいれば、何とも思わない人もいるように、同じ事象でも解釈は全く違うことがあります。

メールにSlack、Zoomと、コミュニケーションを密にするためのツールはいくらでもあります。
それでも、転職サイトの広告は至るところに張り巡らされているし、SNSでは会社への愚痴が溢れているし、日本人は世界で一番仕事が嫌いで会社を憎んでいるとも聞きます。

コミュニケーションを密にしようとしても、自分には理解できない価値観の人と一緒にいるのは大きなストレスです。コミュニケーションを密にすることより、合う人と仕事するように環境を選びにいきましょう、と思うわけです。

合う人と仕事しましょう

多くの会社は人手不足です。
良い人がいれば是非採用したいと思っていても、なかなか良い人はいないし、いたとしても他社に取られてしまう。
だから、(良い人ばかりじゃないけど)今いる人で何とか組織のパフォーマンスを高めるために、「心理的安全性」や「コーチング力」で対処しようとしているのではないかと思います。

でも、それでも合わない人とはうまくできないというのはここまで述べてきたとおりです。

会社にとっても自分にとってもストレスになるでしょうから、自分に合う環境を見つけるか、自分で作るようにしていきたいものです。
とはいえ、あまりコロコロと転職するとキャリアに傷がつくかもしれないので、ある程度期限を決めて、修行期間と割り切って経験とスキルを磨くことに徹する、そしてそのスキルで新天地に向かう、というのが現実的なキャリア形成ではないかと思います。



▪️編集後記
昨日は自宅で経理支援の作業。
最近読んだ本「自分とか、ないから。教養としての東洋哲学」が面白かったです。とっつきにくい東洋哲学(主に仏教のこと)をここまで文章でわかりやすく(かつ面白く)表現できるのがすごいというか、自分との力量の差を痛感させられます。
著者の紹介ページが既に面白い。

大手IT企業に入社し、海外事業で世界中とびまわるも、仕事ができないことがバレてひそやかに退職。
鹿児島にある島に移住して教育事業をするも、仕事ができないことがバレてなめらかに退職。
一発逆転をねらって芸人としてR-1グランプリ優勝をめざすも1回戦で敗退し、引退。無職に。
引きこもって布団の中にいたときに、東洋哲学に出会い、衝撃を受ける。
そのときの心情を綴ったnote、「東洋哲学本50冊よんだら「本当の自分」とかどうでもよくなった話」が少し話題になり、なぜか出版できることになり、今にいたる。

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