税理士のみならず、士業は物理的なモノの仕入れはないですけど、知識の仕入れは必要です。どこから、何を仕入れているかが、税理士の個性が出るところです。
税理士にも「仕入れ」は必要
税理士は、目に見えるモノを売ったりすることはあまりないですが、仕入れは必要です。
事務所の家賃とか会計ソフトも仕入れの一つですが、目に見えない「知識」も仕入れが必要です。
税理士に限らず、弁護士でも社労士でも会計士でも同じことでしょう。
大半の士業の人は、真面目に勉強して知識の「仕入れ」をやっていますが、やってない人もけっこういます。
勉強してなくても、それなりに食べていけてしまうのが、国家資格が必要な士業の危ういところです。
そういう「ハズレ」の士業を引いてしまうと、安くないお金が飛んでいってしまう可能性もあります。
普段接している税理士などの士業の人がちゃんと勉強している人かも、自分の身を守るうえでも重要です。
主な「仕入れ先」
法令や通達・研修
士業である以上、一次資料である法令や、国税庁から公表されている通達は見る必要があります。
正直文章自体はつまらないですし、概要版のような「見やすそう」にしている資料も全然見やすくはありませんが、原典に当たることは欠かすことはできません。
また、税理士会でも研修をやっていますので、研修も受講します。
これも「面白い」ものではありません。でも、わかりにくいもの・面白くないものをわかりやすく(面白く?)解説するのが、私のような街の税理士の役割なので、必要な仕入れの一つです。
本・セミナー
本や(税理士会がやるような研修ではない)セミナーは、知識の「仕入れ」が目的でもありますが、それだけではありません。
他の人がどんなアウトプットをしているのかを参考にしています。
視覚的にわかりやすい図解を使って解説する人もいれば、話が上手い人など、いろんなアウトプットの形があります。
仕入れた知識は当然アウトプットしないと仕事になりませんし、本やセミナーでアウトプットの工夫を「仕入れる」ことも必要です。
お客様からの相談
普段のお客様からの相談でも、結果的に「仕入れ」になることは多いです。
法令や本では解説されないようなイレギュラーなケースも多く、原理原則をわかっていないと答えを出すことが難しいこともあります。
現場での実践が、結果として一番の勉強にもなります。
税理士の「仕入れ」は税金のことだけ?
税理士だと、「仕入れ」に相当する知識のキャッチアップは、税金や経理のことがメインではあります。
でも、コアな税務知識をお客様が必要としているとは限りません。お客様が上場企業で、税務部門が社内にあるような会社であれば、細かい税務知識が必要な場面もありますが、必ずしもそんなケースばかりとは限りません。
むしろ、税務だけを細かく知っていることより、資金調達や融資、税務調査、クラウド会計やAIの活用といった多様な知識を求められることもあります。
税金のことを一定水準まで「仕入れる」ことは大前提として、税金以外でどんな「仕入れ」をしているのかが、税理士の個性でもあります。
(ちなみに私は、税金以外だと、IT活用、経理の効率化、AIの活用を主に「仕入れ」ています。)
▪️編集後記
昨日は朝から大和八木駅に電車で行き、藤原宮跡のハスの花を見に行きました。ハスの花の見頃は朝7時〜9時ごろとのこと。思ってたより大きくて、確かに直接ハスの花を見たのは初めてかもしれません。
その後、西大寺の百貨店で昼食。午後は自宅でブログ執筆など。