税理士による、投資に対する考え方

税理士は「税金の専門家」であって「お金の専門家」ではないのですが、私なりのiDeCoやNISAなどの「投資」に対する考え方をまとめます。

目次

素人投資家の一番の武器は時間

投資を仕事にしている人もいます。

投資ファンドのマネージャーなどのプロ投資家は、短期のうちに投資で利益を上げなければクビになります。

一方、私たち素人の投資家には、短時間で利益を上げる必要はありません。

焦らず、長期で、20年・30年ぐらいのスパンで成果を出せばいいわけです。

この「時間の長さ」が、投資における大きな武器です。長期・分散投資は投資を成功させる鉄則です。

1ヶ月後に日経平均が今より上がっているか下がっているかを予測するのは至難の業ですが、10年後・20年後であれば、物価も上がり、おそらく今よりは上がっているのではないかと考えられます。
(もちろん断言はできませんが)

短期間では乱高下することはあっても、長い目で見れば平均して上がっていくと考えて、焦らずコツコツと積み立てていくのが、素人投資家の王道の戦略ではあります。

どんな投資をするか?

投資というと、株式投資を最初にイメージすると思います。

iDeCoやNISAも、広い意味では株式投資になります。

株式投資のメリットは、少額からでも始められること。また、投資信託であれば細かく銘柄を決めなくていいというメリットもあります。

NISAではオルカンやS&P500が人気ですが、これは全世界や米国株式の全てにくまなく投資をするものなので、投資家自身が細かく投資先を決める必要はありません。

とりあえず投資をしてみたい、という場合には、NISAでオルカンをやってみるといいでしょう。

不動産投資などの実物の資産に投資する方法もあります。

これらのメリットは、不動産にはそれ自体に価値があること。基本的に価値がゼロになることはないことでしょう。

株は、その会社が倒産したり上場廃止になれば価値はゼロになりますが、不動産はよほどの天災に見舞われたとしても価値がゼロになることはありません。

今のように物価が上がり続けている状況では、不動産の価値も上がることも多いです(特に都会)。

不動産投資はローンを組んだり金額も大きいので、気軽に始めるということはできません。

また、投資信託のように個別の銘柄を他人任せにすることはできません。どんな不動産に投資をするのかは自分の目で、自分の責任で決める必要があります。

そういったデメリットはありますが、投資の規模に比べてリスクは決して高い投資ではありません。

しかるべき勉強をして知識を得れば、投資の選択肢になりえます。

節税対策の投資はしてはいけない

不動産投資をしようとする人には、節税を目的にしている人もいます。

営業マンも、不動産投資をすれば節税になるということをセールストークにしている人もいます。

しかし、投資が節税になるのは、投資で赤字を出して、他の所得と相殺できるからです。

つまり、投資で損失を出しているから税金が安くなっているだけです。

本来の意味での「節税」ではないと考えています。

不動産投資の場合、減価償却費というお金の出ていかない経費があるので、たくさん減価償却費を出せるような物件(中古・木造など)を買えば見た目の赤字が増えて、税金を安くできるという効果はあります。

しかし、お金の出ていかない経費であろうが、損失を出していることには変わりません。

投資に限らず、事業でも黒字を出すのが本来の目的のはず。

黒字が出れば税金を払うことになり、これは痛いことですが、かといって安易に税金を安くすることだけを考えていると、全く利益の出ないゴミ物件に手を出してしまう可能性もあります。

節税のことは考えず、あくまで利益が出るかどうかを考えて、長期に、コツコツと積み上げていくことが、私が考える投資の戦略です。



▪️編集後記
昨日は午前中に税理士業で調べ物。
午後に動画の収録と編集。

▪️娘日記(0歳)
夕食の時間になると、ずり這いでキッチンの方に近寄ってきます。
火もあって危ないので遠ざけると、またキッチンの近くまで寄っていきます。ママの近くに行きたいんでしょうかね。

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