不動産投資のシミュレーションをExcelで自作する方法

不動産投資の収支がいくらなのか、ローンの返済スケジュールをどうするかを確認するためのExcelを自作しています。

目次

不動産投資の収支シミュレーションのExcel

わざわざ自作しなくてもツールはあると思いますが、私はExcelで自作しています。計算スピードが速いですし、自分でいくらでもカスタマイズできるからです。

具体的には、以下の3枚のシートを、物件ごとに作成しています。

  • 「基本情報」シート
  • 「返済予定」シート
  • 「収支予定」シート

順番に見ていきます。

基本情報

ここには、投資している物件の基本情報を入力していきます。

家賃、管理費&修繕積立金&賃貸管理費、固定資産税、不動産取得税の金額を入れておきます。特に数式はなく、数字を直で入れています。

返済予定

ローンで不動産を購入している場合は、毎月の返済予定額をこのシートで算定します。

各セルに記入する値、数式は以下のとおりです。

No. 項目 入力するデータ
1 返済月 B3セルは手入力
B4セル以降は=EDATE(B3,1)
2 残返済回数 C2セルは手入力
C3セル以降は=C2-1
3 金利 D2セルは手入力
D3セル以降は=D2
4 返済額(月額) =INT(PMT(D2/12,C2,-I2))
5 繰上返済 任意の数字を手入力
6 利息 =INT(I2D3/12)
7 元金 =E3-G3+F3
8 借入残高 =I2-H3

No.4の「返済額(月額)」は、計算結果をマイナス表記にしたい場合は最後の「I2」の前のマイナス符号を消せば、返済額の計算結果をマイナス表記にしてくれます。

No.5の「繰上返済」は、自分で任意の時期に任意の数字を入力します。

「毎年12月に、100万円を繰上返済する」という予定であれば、12月の行に「1,000,000」を入力すれば、それに応じて借入残高や返済額も変わっていきます。

収支予定

毎月の収支の見込みを算定するシートです。

各セルに記入する値、数式は以下のとおりです。

No. 項目 入力するデータ
1 年月 B2セルは手入力
B3セル以降は=EDATE(B2,1)
2 収入 =基本情報!C2
(「基本情報」シートの家賃を転記)
3 返済 =返済予定表!E3
(「返済予定表」シートの返済額を転記)
4 税金 任意の数字を手入力
5 その他支出 =SUM(基本情報!C3:C5)
(管理費&修繕積立金等の諸経費を合計して転記)
6 支出 =SUM(D2:F2)
7 収支(月額) =C2-G2
8 収支年間累計 I2セルは=H2
I3セル以降は=IF(YEAR(B3)=YEAR(B2),I2+H3,H3)

No.8のI3セルの数式は、年が変わったら累計の計算をリセットするための数式です。

2023年の累計収支は88,284円で、年が変わって2024年になったら、0に戻って14,714円になっています。好みの問題ですが、1年間の収支を確認したいので、このような数式にしています。

ローンの返済スケジュールを自分で組み立てる

Excelを使うことで、シミュレーションを早く集計できます。また、余計なシミュレーション機能はないので、シンプルに確認したい情報だけを確認できます。

私が特に確認したいのは、繰上返済をどの物件で、どのタイミングで実行するかです。

毎年、A物件で繰上返済を100万円実行する場合、いつローンが完済されるのか、A物件が完済できた場合、B物件に返済はいつごろの完済を目指すかといったことを重点的に確認したいので、繰上返済の列を作っておき、適宜任意の数字を入れてシミュレーションしています。

不動産投資は長期に亘る資産運用です。今後買い増しすることを想定している場合、現在保有している物件の収支やローンの残債を定期的にチェックすることは必須です(ローンの枠には限りがありますし)。

プロのコンサルタントにアドバイスを求めることも重要ですが、自分の資産である以上、自分でもある程度収支の状況を把握することは必須になります。

不動産投資に限らないことですが。

自作するメリット

不動産投資の収支をシミュレーションするツールは、わざわざ自作する必要もありません。

ネットで検索すればいろいろ出てきます。

でも、Excelで自作をした方が、Excelの勉強にもなりますし、何よりも収支の詳しい内容を理解することができます。

ツールを導入すると、必要なデータを入力するだけで10年後〜30年後の収支のシミュレーションを試算してくれますが、どういう計算過程なのかは詳しくわかりません。

また、データを少し変えて再シミュレーションしようとすると、計算結果が出るまでに読み込みの時間がかかったりします。

Excelだと、瞬時に計算結果を出力してくれます。

シンプルにシミュレーションしたいのであれば、Excelで自作する方が理解も深まりますし、利便性は高いと思います。

もちろん、細かいシミュレーションをしようとすると、Excelより既存のツールを使った方がいいと思います。

  • 家賃相場が毎年5%下落した場合のシミュレーション
  • 金利が上昇する場合の返済シミュレーション
  • 増税になった場合のシミュレーション

不動産投資には様々なリスクがあります。そういったリスクを網羅的にシミュレーションしようと思うと、Excelだけだと複雑になっていきます。

ですが、最初はシンプルにシミュレーションできるようにするのがおすすめなので、まずはExcelで自作してみることをおすすめします。

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