小説を読むメリットの一つは、類推の良い教材になることです。類推ができれば、仕事でもブログネタにも幅が広がります。
魔の山
トーマス・マンの「魔の山」という本を読みました。半年以上かけて読み終えました。
分厚くてボリュームも膨大ですが、内容も複雑で、ストーリーを楽しむという類の小説ではないです。
正直おもしろい小説ではないですが、20世紀最高の文学の一つともいわれています。「読んだことがある」という事実ができただけでも良しとします。
本を読んだだけだと複雑でわからなかったので、解説しているサイトを見たり、NHKの「100分で名著」のテキストを買ったりしました。
それでも「理解した」とは到底言い難いですが、何となくわかったこととして、この本は「20世紀初頭の、第一次世界大戦前後のヨーロッパ社会の行き詰まり」を表現したものということです。
当時のヨーロッパの状況を、主人公のハンス・カストルプや結核療養施設「ベルクホーフ」の個性的な登場人物の描写を通して指摘したのが「魔の山」という小説です。
「魔の山」の内容については、解説を見ても理解が難しいです。ですが、「魔の山」の舞台や登場人物をメタファーとして、当時の世界情勢を風刺するという「類推」の手法を学ぶうえでは良い教材になりました。
到底真似はできないですけど、類推の極地がこの小説ではないかと思っています。
類推できると、ネタが増える
類推とは、ある事柄が持つ性質を、別の事柄にも当てはめて考えることです。
「具体と抽象」でいうと、小説という具体的なものから抽象的なテーマを抽出して、そのテーマをまた別の具体的なものに当てはめるというようなイメージかと思います。
「鬼滅の刃」の炭治郎は、お父さんから教わった神楽の呼吸法から「ヒノカミ神楽」を覚えました。
一見関係ないと思えることも、類推ができれば自分の武器にできます。
この類推ができると、インプットの効率が良くなります。インプットの効率が上がれば、仕事でもブログでも、幅が広がります。
例えばプライベートで撮った花の写真も、「花の写真を撮った。キレイだった。楽しかった」だけだと何の広がりもありません。
でも、「花がキレイで目立つのは、昆虫に見つけてもらって花粉を運んでもらうため。知ってもらうことの重要性」ということを類推することもできます。
また、税理士業であっても、従来は顧問税理士が一般的な税理士のサービスですが、
といったサービスも、類推によって提供することができます。
このように、類推をするということで広がる世界があります。
その類推を訓練するために、少し歯ごたえのある小説を読むのもアリだと思います。
類推のトレーニングとしての読書
小説、アニメ、マンガ、映画などの娯楽も、単純にストーリーや内容が面白いという楽しみ方もありますが、類推をトレーニングできるというメリットもあります。
新しいビジネス書でも十分良いですが、少し難しい、ハードルの高い本にチャレンジしてみてもいいかと思います。
筋トレも頑張らないと挙げられないぐらいの重さで負荷をかけると効果が高いものです。
読書も、ちょっと立ち止まって考えないとわからないぐらいのもののほうが、思考が鍛えられます。
こういう本は新刊で買う必要もなく、ブックオフで安く買えますし、図書館にも必ず置いてるので、コストもそんなにかかりません。
図書館で借りて、試し読みしてから買ってもいいかもしれません。
▪️編集後記
昨日は税理士業のあと、2日連続で歯医者へ。
YouTubeのセミナー動画を視聴。