会社・個人にお金を残すために考えたい「BS脳」と「PL脳」

会社としても、資金を社内で厚く確保しておくことは重要です。また個人でも、お金持ちになりたいという人は多いでしょう。お金持ちになるためには、「BS」と「PL」の考え方の違いを理解しておくといいでしょう。

目次

PL脳とBS脳

PLとは、収入と支出を集計したものです。
BSとは、資産や負債を集計したものです。

お金持ちになりたいと思った場合、多くの人が考えるのが、「収入を上げる」ことでしょう。
年収1,000万円というと、高収入でお金持ちのイメージがあります。

確かに年収が高いとお金持ちになれる可能性は高いでしょうが、必ずしもそうとは限りません。

体が健康であれば、働き続ける限りお金は入ってくるかもしれませんが、不慮の事故や病気で働けなくなる可能性もあります。
今自分が勤めている会社が倒産する可能性もあります。
AIが発達して、自分の仕事の相対的な価値が下がる可能性もあります。

収入を上げ、支出を下げるという考えだけでなく、基礎となる資産を築き上げていくという考えが、「BS脳」です。

ここでいう「資産」というのは、不動産や車といった目に見えるものだけでなく、スキルや経験、人とのご縁、健康といった無形のものも「資産」と考えます。

ただ収入を増やすのではなく、有形・無形の資産を最大化させていくという考えを持つことが、「BS脳」の考え方です。

売上(収入)だけ高くても、お金は増えない

会社でもそうですが、売上が増えているからといってお金が増えるとは限りません。

目先の収入だけを求めるのであれば、AI株やFXで一発当てるとか、転売ヤーにでもなったほうがいいでしょう。

しかし、そういう「一発当てて」稼いだお金は税金も高くなります(確定申告では雑所得になるものもあります)。

無理に隠そうとすれば余計にリスクも高まりますし、稼いでいるようで手元にお金は残らないし、リスクも負うことになります。

それよりも、まずは基盤となる資産価値を高めて、その資産の利回りで少しずつ経済的な基盤を固めていくという方法が、「BS脳」という観点では大事になってきます。

個人であれば、スキルを磨くために資格を取ったり、人的ネットワークを広げるために会社以外の人と会うということも「資産」になります。

会社であれば、銀行融資や出資を受けることによって、社内の資金を厚くするということも資産を形成することになります。
その資金を使って、新たな投資をすることができます。

「資産」が多ければいいというものでもない

とはいえ、ただ闇雲に「資産」になりそうなものを多く持っていればいいというものでもありません。

在庫は資産の一種ですが、いつまでも売れない不良在庫が溜まってしまうと、保管コストなどが重なり、収支が悪化します。

個人の場合でも、人的ネットワークが大事だからといって人脈を広げようとしすぎると、かえって人間関係のトラブルになることもあります。

資産を多く持てばいいということではなく、価値のある資産を多く持つことが大事です。

資格を取るにしても、仕事に何の関係もない資格を取りまくる「資格コレクター」になっても意味はありません。

自分にとって価値のある資産を持ち、今持っている資産の価値を高めていくことです。

会社の場合、不良在庫だけでなく、遊休となっている資産は手放し、筋肉質な経営基盤を作ることです。

どうしても売上や利益といった「PL」視点でものを考えがちですが、資産や負債などの「BS」視点を持つことが、個人でも会社経営でも、生き残るために必要なことです。

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▪️編集後記
昨日はセミナー収録。
奈良市内にある子育て広場に行ってきました。事前予約制で、おもちゃや絵本がたくさん&キレイ&広かったので、非常に良かったです。
https://www.city.nara.lg.jp/site/kosodate/132632.html

▪️娘日記
子育て広場で、いろんなおもちゃをナメナメしていました。
自宅に戻ってからは昼間もよく寝て、夜もすんなりと寝てくれました。

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