「先行きが不透明」だからこそ、月次決算をしなければならない

先が見通せない・・・

現代は「VUCA時代」ともいわれますが、現代に限らず、いつの時代も将来のことなんて誰にもわからないし、経営にもリスクはつきものです。先行きが不透明だからこそ、経理の面では「月次決算」が重要です。

目次

月次決算が大事なのは、「変化」を読むことができるから

なぜ月次決算が大事なのかというと、過去からの変化を読み取ることができるからです。

当然のことながら、将来のことなんて誰にも「予知」はできません。しかし、「予測」をすることはできます。

「予測」は外れることもありますが、精度を上げることはできます。

予測の精度を上げるために必要なことは、「今」の数字だけをピンポイントで見るだけでなく、「変化」を見ることです。

今は黒字が出ていても、前年同月で比較して黒字の金額が減少していれば、今期の黒字は必ずしも良いことではないかもしれません。

過去からの変化をタイムリーに読み取り、経営上の警告を見逃さないようにするには、月次決算をしっかりやることです。

月次決算を毎月チェックしていれば、少なくとも1年で12回は業績の数字を見ることができます。

今の数字の水準を見るだけでなく、数字の「変化」に注意を向けることです。

今は黒字でも、将来赤字になるパターン

例えば、2025年4月の売上が150万円で、利益が15万円だったとします。
この場合、利益率は10%です。

利益が出ているので良いことではありますが、前年同期と比較して、2024年4月が売上100万円、利益が30万円だった場合、売上は1.5倍に増えてますが、利益が半減しています。

「増収・減益」です。

一時的な投資によって「増収・減益」になることはよくありますが、これが人件費の増加など、一時的なものではない場合は注意が必要です。

もし翌月の2025年5月に売上が前年同月と同じになり、人件費は簡単に減らないので先月と同じになった場合、5月は赤字になる可能性があります。

こういった過去からの変化から将来の見通しを立てる場合には、月次決算をしておく必要があります。

4月の時点で月次の業績を把握しておらず、年度決算を締めてから「5月から赤字になっていた」ということがわかっても、対応が後手になるだけです。

過去からの変化の方向性(利益が増えてるのか減ってるのか)、その変化の連続性(将来は利益が出なくなるかもしれない)を知るために、月次決算は経営において欠かせないものです。

月次決算を活用すれば、対処すべきことが見えてくる

「先行きが不透明」とはいっても、全てが不透明ということはほとんどないかと思います。

不確実なこともあれば、確実なこともあるはずです。

先ほどの事例でいえば、不確実なことは以下のようなものが考えられます。

  • 売上が来月以降も増収になるかどうか
  • 利益が増えるかどうか
  • 必要な投資ができるタイミング

逆に、以下のようなことは確実というか、現時点でもわかっていることです。

  • 人件費や家賃といった固定費は、売上が落ちても支払う必要がある
  • 早い段階で対処しないと、対応が後手に回る

わかっていること・不確実なことに対処するためには、月次決算を活用して、タイムリーに「今は業績が良くなっているのか・いないのか」を見えるようにすることです。

「業績悪化に備える」という守りの視点だけでなく、「投資のチャンスを逃さない」という攻めの視点でも月次決算は重要です。

物価の高騰、材料の供給不足などで必要な仕入れができずに欠品になってしまい、売上を得るチャンスを逃す可能性もあります。

必要なタイミングで攻めの投資ができるようにするためにも、どれぐらいの売上・利益・キャッシュがあるのかを毎月チェックしておかなければなりません。

先行きが不透明でも、やれることやるために、月次決算を見るようにしましょう。
(顧問税理士が月次を締めるのが遅かったら、早めてもらうようにお願いしてみましょう)



▪️編集後記
昨日は自宅で税理士業。Kindle執筆など。
外は晴れたり雹(ひょう)が降ったりでしたが、晴れの合間にラン5キロ走れました。
大河ドラマの「真田丸」をNHKオンデマンドで観ています。やっぱり三谷幸喜の作品は面白いですね。

▪️娘日記(0歳)
夜はなかなかまとまって寝ませんね。3時間おきぐらいに起きて授乳が必要になります。
(妻が授乳してくれていて、私は横にいるのにすぐに寝てしまいます・・・)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次