会社の将来を見るための「月次決算」

数字(計器)を見て先を見通す

未来のことは誰にもわかりませんが、ある程度まで予測することはできます。会社の未来を読み取るためには、経理をして、月次決算をチェックすることから始めます。

目次

経理をすれば、会社の将来が見通せる

経理は税金を計算するためにするものではありません。銀行に決算書を提出するために経理をするのではありません。

もちろん、そういった目的のためにも経理は必要です。ただ、それだけだともったいないなと。

経理を欠かさずにやっておけば、会社の将来を見通せるようになります。

特に、日々の経理の結果、月次決算を早期にチェックする癖をつければ、より精度は上がります。

毎月数字を見ていれば、
・極端に大きな数字の増減がないか
・将来大きな投資をしたときにどれぐらい利益や収支に影響するか
・年度の決算のときの着地見込み、どれぐらい税金が発生するか

といったことが読めるようになります。

現代は「VUCA時代」とか「先行き不透明な時代」とよくいわれますが、そんなの今に始まったことではありません。

いつの時代も、先なんて読めないし、未来のことは誰にもわかりません。

でも、正確に未来を予言することはできなくても、ある程度の見通しを立てることはできます。

会社の場合、それができるのが「日々の経理」であり、「月次決算」です。

月次決算で見るところ

「月次決算」といっても、具体的にどこを見ればいいのか、私は以下のような部分を重点的にチェックしています。

これらの情報を、私はExcelで1画面でチェックできるようにしています。

現金・預金がいくらあるのか

会社が生き残るために一番重要なのは、売上でも利益でもなく、お金です。

お金があれば、売上ゼロでも生きていけます。

月末時点で、会社にどれだけのお金があるのかは必ずチェックしましょう。

売上の推移

売上は、単月で見るだけではなく、推移で見る必要があります。

前年より売上が増えているのか減っているのか。

売上が減ってるから悪いとも言えません。後述しますが、売上が減っても利益が増えていれば問題ないでしょう。

また、売上が増えるということは、多くの場合、仕事が増えることでもあります。

もちろん仕事が増えるのは良いこととも言えますが、度を超えると身を崩すことにもなります。

売上の推移を見て、売上=仕事が増えてきているのかどうか、それは自分にとって望ましい状況なのかを見るためにも、売上は単月ではなく推移で見たほうがいいです。

利益の推移と累計

売上だけでなく、利益も重要です。そして、売上と同様に単月ではなく累計で見ることが重要です。

単月だと赤字になることもあるでしょう。投資がかさんだりすると、単月では赤字になることもあります。

でも、単月での赤字を極端に恐れて必要な投資をしないのは機会損失です。

投資を行ったことで単月では赤字になっても、年間トータルではその投資によって売上が増えて利益が増えれば問題ありません。

その判断をするうえでも、利益のチェックを毎月するようにしましょう。

固定費の推移、過年度との比較

固定費は大敵です。

売上が増えようが減ろうがゼロになろうが、人件費・家賃といった固定費はかかってしまいます。

必要な固定費を削ることはできませんが、本当に「必要な固定費」なのかを判断することは必要です。

サブスクの料金なども、一つのサービスでは数千円〜数万円でも、積み重なると大きな固定費です。

毎月費用の明細を見て、固定費が増えていないかを確認しましょう。

決算予測・納税予測

月次決算を積み上げていくと、過去の実績だけでなく、将来の見通しを立てることができます。

決算予測の仕方は、過去の月の平均で推計したり、過去の実績の平均成長率などを変数として推計することが多いです。

また、決算予測によって利益が推計できたら、そこから税金の予測を立てることもできます。

税金の支払いは資金繰りに直接影響してきます。

毎月実績を出していき、予測の精度を高めることで、資金繰りの精度は上がります。

正しい経理は大事だが、正しさに固執しない

月次決算をしていない会社は多いでしょう。

今はもう6月ですが、3月の月次も締まっていないということもあるかもしれません。

6月下旬の時点では、5月の月次は締まっている状態にしたいところです。

そのためには、過度に正確性を追うことは止める必要があります。

税理士などに経理を丸投げすると、必要以上に正確に仕上げようとすることがあります。

税理士(あるいはその部下の担当者)任せだと、真面目な人ほど大勢には影響しないような細かいところまで合わせようとするので、スピードが遅くなります。

後から修正にならない正しい経理が理想ですけど、それは無理ですし、私も後から修正することはあります。

正しさに固執せず、あらかじめ決めた期限内に前月の月次は締める。そして、その数字を見て将来の見通しを立てる。

ここまでするのが「経理のあるべき姿」です。

税理士任せにせず、自分で数字を作り、チェックすることを意識してみましょう。



▪️編集後記
昨日はバイク&ランのブリック練習。
午後は自宅やスーパーの休憩室で動画教材の作成など。
あまりにも暑いので、今季初のそうめんを作りました。

▪️娘日記(0歳)
ほっぺをスリスリすると声を出して笑ってくれます。
父親が娘のほっぺにスリスリできるのなんて今しかできないので、今のうちにたくさんしてやります。

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