「経理」というと、簿記ができないとわからないというイメージもあるかと思います。もちろん簿記がわかれば経理の理解は深まりますが、絶対必要というものでもありません。
簿記がわからなくても経理はわかるようになる
経理を仕事としている人は、ほぼ全員簿記を勉強しているでしょう。
経理を専門とするのであれば、簿記の考え方(複式簿記など)は押さえておく必要があります。
でも、社長のように経理そのものが仕事ではない場合、簿記の勉強までする必要はありません。
ChatGPTを使いこなすのに、生成AIの仕組みとかプログラミングを理解する必要はありません。
AIを作る仕事をしたいのならばプログラミングができないとダメかもしれませんが、多くの人はChatGPTで文章を書いたりタスク整理をしたり調べ物をすることが目的です。
経理も同じで、経理の数字を活用して節税や計画を立てることが目的のはずです。
その目的のためであれば、簿記を詳しく理解する必要はありません。
経理は計器
経理で出力される数字というのは、飛行機のコックピットにある計器や自動車のスピードが表示されるメーターのようなものです。
パイロットは計器に出てくる数字を見て高度を調整したりすると思います。車を運転するときも、どれぐらいのスピードが出ているかとか、ガソリンがどれぐらい残っているかをメーターでチェックすると思います。
経理でも、会社の数字を見ながら、経費を使いすぎていないか、逆に利益が多くて税金の負担が大きくならないかということをチェックします。
そういったことが数字で判断できるのは、経理をこまめにやっているからです。
もっと言えば、経理を税理士に丸投げではなく自分で少しでもチェックしたほうが、精度は上がります。
私が一緒に仕事をさせていただいた経営者の中で、業績の良い会社ほど、社長は数字に対する感度が高いです。
「あとこれぐらいは経費を使っても赤字にならない」とか「この契約が確定すれば前年比プラスになる」ということが、頭の中で整理されています。
それも、経理で出てくる数字をこまめにチェックしているからできることです。
数字をつくることよりも、数字を見る力が大事
簿記は数字をつくるための道具です。
正しく数字をつくるために、簿記を学ぶことも大事ですが、つくった数字をどのように解釈して仕事に活かすかも大事です。
「簿記がわからないから経理も人任せ」ではなく、簿記は誰かにやってもらうとしても、そこから出てきた数字を見る習慣は身につけておくほうがいいでしょう。
▪️編集後記
昨日は昼にランチ会で奈良駅周辺へ。
裁判所の近くを通ったら、テレビカメラとかですごい人が。日本を騒がせた事件の初公判の日だったんですね。
▪️娘日記(1歳)
妻の母が来てくれました。義母に対しては人見知りすることもなく、穏やかに過ごせたみたいです。
