不動産投資のメリットの一つに、「節税ができる」というものがあります。ただ、これは危険な部分もあります。
不動産投資が節税になる理由
不動産投資が節税になる理由は、投資で赤字が出ることで他の収入と相殺でき、所得が小さくなることで税金が安くなるからです。
例えば、会社員で給料の収入がある人が不動産投資をして、以下のような収入の状況になったとします。
会社からの給料:年収で1,000万円
不動産投資の収支:マイナス200万円
給料だけしか収入がない人だったら、年収1,000万円に対して税金がかかります。
一方、不動産投資をやっていると、年収1,000万円から不動産投資の収支の赤字200万円を相殺できるので、800万円にたいして税金がかかります。
このマイナス200万円という赤字の中には、多くの場合「減価償却費」という経費も含まれています。
減価償却費というのは交通費とか交際費みたいに、実際にお金を払う経費ではなく、「お金は払わないけど経費にはできる」という性質の経費です。
なので、減価償却費が大きければ大きいほど、赤字を大きくできて税金は安くなり、かつお金は出ていかないのでお得になる、という理屈です。
確かに、減価償却を活用すれば不動産投資をすることで節税になります。
しかし、当然ながら落とし穴もあります。
減価償却が大きい=空室リスク高
減価償却を大きくするためにはどうすればいいかというと、以下のような投資物件を選ぶ必要があります。
- 鉄筋よりも木造
- 新築よりも築古
- 都会よりも地方
「鉄筋よりも木造」がいいのは、耐用年数が木造のほうが短いからです。
例えば1,000万円の物件があって、A物件は鉄筋、B物件は木造の場合、減価償却の計算は以下のようになります。
- A物件=1,000万円÷47年=約20万円
- B物件=1,000万円÷22年=約45万円
耐用年数が短いと、1年間で経費にできる減価償却費が大きくなるので、その年の節税の効果は大きくなります。
「新築よりも築古」がいいのは、中古の物件で、法律で決められた耐用年数を経過した物件だと、法定耐用年数×20%の年数で追加で減価償却の計算ができ、より多くの減価償却費を経費にできます。
「都会よりも地方」がいいのは、1つの物件でも東京のような都会だと建物よりも土地の価値の割合が高く、土地は減価償却ができないからです。
とある1,000万円の物件でも、東京都渋谷区にあるものだと「建物:土地」の割合は、だいたい「2:8」ぐらいかと思います(もっと土地の割合が高いかも)。
なので、1,000万円の物件を購入しても、減価償却ができるのは200万円部分だけなので、節税の効果は大きくありません。
一方、地方で1,000万円の物件だと、東京よりも建物の価値の割合が高いので、減価償却費の金額も大きくなります。
なので、
- 鉄筋よりも木造
- 新築よりも築古
- 都会よりも地方
が、節税には良いとされます。
しかし、住む側の立場にたてば、木造より鉄筋の家に住みたい人が多いでしょうし、便利な都会に住みたい(or 仕事で住む必要がある)でしょうし、ボロい部屋よりキレイな部屋に住みたいでしょう。
相対的に賃貸の需要は低いので、空室のリスクは上がります。
空室だと家賃収入がゼロなので、節税もクソもありません。
安易に節税できそうな物件を選んでしまうと、税金は安くなるかもしれませんが、資産運用としては失敗になる可能性もあります。
不動産投資はあくまで投資なので、黒字が理想
最近、「AIを使った不動産投資」という宣伝をよく目にします。
物価が高騰していて、不動産の価格も高まっており、投資熱も昔よりは高いので、そういった業者が増えているのでしょう。
不動産の営業には胡散臭いものも多いです。
どうやって「胡散臭い」かを見極めるのは難しいところですが、一つあるとすれば、「不動産投資のメリットに節税を上げてくる営業は怪しい」というのはあるかと思います(個人的な経験ですが)。
相続対策とか超富裕層向けに、節税をメインの目的にした不動産投資もあるかもしれません。
しかし、多くの場合は相続対策とかではなく、資産運用がメインの目的かと思います。
そういう人が目先の節税を求めると、痛い目に遭う可能性も高いでしょう。
不動産投資はあくまで「投資」なので、投資した以上のリターンを得ることが本来の目的です。
それを減価償却を使って赤字にして損益通算して節税、というのは、動くお金の大きさに比べて求める旨味がショボいなと。
不動産投資をするなら、あくまで黒字を目指すべきです。それで税金を多く払うことになっても、それ以上に資産が残れば本来の目的は達成できているはずです。
安易に節税なんかで不動産投資をしないほうが、多くの人にとって賢明です。
▪️編集後記
昨日は大阪に散髪へ。
その後は自宅に戻ってWeb打ち合わせや税理士業。
▪️娘日記(1歳)
夜は寒いですが、寝返りで掛け布団にしている毛布から逃れようとしています。
スリーパーは着せているので大丈夫なようですが、「寒くないのか?」と寒がりな私は考えてしまいます。
