「経理は苦手。数字の羅列を見てるだけでクラクラする」という方は少なくないと思います。数字を特別なものと思わず、文字を読むのと同じと考えるといいかと。
数字は文字である
「半沢直樹」や「真田丸」の堺雅人は、「数字を言うセリフが苦手」ということをテレビで言っていました。
銀行員の役とかをやってたのに意外だなと思いました。
数字のセリフは、すべてひらがなに変えて、例えば「150万円」だったら「ひゃくごじゅうまんえん」というように文字に置き換えることで長いセリフも覚えるようです。
数字の羅列として見るのではなく、文字として読むことで膨大な数字を覚えるということでしょう。
経理とか数字を扱うのが苦手、という社長は多いです。
確かに、数字の羅列として見てしまうと目がクラクラしてくるかもしれません。
でも、通常の文章もひらがな・カタカナ・漢字などの羅列ですが、それを見て頭がクラクラするという人は少ないでしょう。
決算書などの数字も、文字と同じように「見る」のではなく「読む」という感覚を持つと、見方が変わってくると思います。
経理の数字には理屈がある
経理で使う決算書などは、確かに一見数字の羅列です。
でも、全く無秩序な数字が並んでいるわけではありません。経営をしてきた結果が数字として出ているものです。
「売上」の数字も、季節性のあるビジネスをしていたら、忙しいときは売上が増えて、暇なときは減ります。
逆に、毎月定額で大きな変動がないビジネスだったら、売上は毎月同じように推移します。
給料や社会保険料などの人件費は、基本的に固定であることが多いので、人を雇ったり退職者がいなければ毎月大きな変動はないはずです。
逆に、マーケティングに力を入れたりすると、広告宣伝費が急増します。
このように、ビジネスの活動の結果が数字になって現れるのが経理です。なので、経理の数字にはストーリーというか、意味があることが多いです。
日本語で書かれた文章は、ただの文字の羅列ではなく、文脈があります。
それと同じように、経理で出てくる数字にも、理屈・文脈があります。
たまに新聞に出てくる「不適切会計」とか「粉飾決算」というのは、この理屈が整合しない「何か変な数字」とか違和感から発覚することがあります。
そういう意味では、経理のデータは案外読み解きやすいものではないかと思います。
私は税理士なので、数字に強いとか数学が得意なのではないかとよく言われます。
でも、数学は苦手ですし好きではありません。中学レベルの数学すらできるか怪しいです。
円周率の3.14以降の数字とか、覚えられません。意味のない数字が並んでいるものは覚えられないし、それこそ目がクラクラしてきます。
グラフや図表にする
とはいえ、確かにいきなり決算書の数字を見ても、何が何やら、という感じになることはあるでしょう。
私もプロではありますが、決算書を見ればその会社のことが何でもわかる、というわけではありません。
わかることもありますが、わからないこともそれなりにあります。
そういうときは、グラフや図にするとわかるようになります。
会計ソフトから出てくる「試算表」というやつは無味乾燥なので、あれを見るのは好きではありません。
かといって会計ソフトから出力できる「経営分析レポート」のようなものも、欲しいデータが集計されかなかったり、かゆいところに手が届かない感じはあります。
カスタムレポートというような機能もありますが、設定がめんどいです。
会計ソフトからExcelにデータを入れ込んで、Excel上でグラフ化・図表化すれば、欲しいデータを自分好みに見ることができます。
ただの数字の羅列にしか見えなかったものが、グラフにするとある傾向が出るということもあります。
数字が苦手と感じる人は、
- 文字のように「読む」意識を持つ
- グラフや図表で可視化する
ということをすれば、少しは苦手意識が減るのではないかと思います。
▪️編集後記
昨日は散髪で大阪へ。その後、自宅に戻って税理士業の打ち合わせ。
台風が近づいて雨が心配でしたが、夜中に雨のピークだったようで影響は全くなし。
子どものときは、台風が来て警報になったら学校休みだったので、夜中に大雨だったら何か損した気分になったものです。
▪️娘日記(0歳)
同じような味のする離乳食でも、娘には味の違いがわかるようで、口に合わないものは明確に拒絶します。
赤ちゃんの方が大人より味覚が敏感とかあるんですかね。