不正を見つけるのは簡単ではないが、いつか見つかる

時折ニュースで、企業の不正が明るみになって事件として報じられることがあります。利益や売上を水増しするような不適切会計や不正会計は、簡単には見つからないですが、長い時間で明るみになることもあります。

目次

不正を見抜くのは簡単ではない

独立前は監査法人で上場企業の監査をしていたので、いろんな上場企業の決算を見てきました。

今でもたまにテレビや新聞で、上場企業が売上の9割を水増ししていたり、海外の子会社で不適切な会計をしていたということがニュースになっています。

ああいう不正について、監査をしている会計士が見抜けるかと言うと、簡単なことではありません。

会計不正の伝統的な手法として、「循環取引」というものがあります。

ある会社が売上を水増しするために、実質的に同じ経営者が経営している別の会社に商品を売りつけて、それをまた別の会社に売り渡し・・・というのを繰り返す方法です。

昔だと、カネボウもこれをやっていました。

不正の手法としては古典的な方法ですが、「循環取引である」と見抜くのは簡単ではありません。

会社としては、不正を見抜かれたら絶対にダメなので、あらゆる手を尽くして不正がバレないようにします。

売上が何兆円とあるような会社だったら、取引量は膨大なので、全部は見きれません。

会計士の監査に限らず、会社が本気でやる不正というのは、東京地検特捜部とかマルサみたいな強力な権限がない限り見つけ出すのは困難なものです。

すぐに見つからなくても、時間をかければ見つかる

とはいえ、すぐに見つかることはなくても、長い時間を経て見つかることがあります。

内部告発で発覚することもあるし、じっくり時間をかけて調査をしたら不正であるとわかることもあります。

不正をしたとして、数年はやり過ごせるかもしれませんが、数十年と経ったらわかってしまうものです。

爆弾ゲームみたいなもので、不正がバレなくてもどんどん爆弾は大きくなっていって、どこかのタイミングで爆発するものです。

爆発するときに爆弾を持っていた人たちからすれば、「昔からやっていたことなのに、何で自分のときにバレるんだ」と理不尽に感じることもあるでしょう。

何か不正があっても、責任があるはずの経営者にあまり反省の色が見られず責任を押し付けるような会見をするのは、こういう思考があるからだと思います。自分がやり始めたわけでもないのに、何で責任取らなきゃいけないんだ、みたいな。

話を戻すと、最初はバレないと思っても、いずれはバレる可能性が高いです。

上場企業だけでなく、中小企業や個人事業主でも同じことです。

「魔が差す」を防ぐために、外部の目を入れる

誰しも不正は良くないと思っているはずです。それでも不正に手を染めてしまうのは、やむにやまれぬ事情があり、「魔が差してしまう」ことが多いからだと思います。

上場企業であれば、社長が悪さをしたいと思ってもそれを止める外部の目も多かれ少なかれあるでしょう。

しかし、オーナー企業や個人事業主の場合、誰か止めてくれる人がいないことが多いです。

魔が差したときに誰も止めてくれません。

止める人がいるとすれば、税理士でしょう。

税理士が会社の数字を一番わかっているはずで、魔が差す兆候も把握しやすい立場にいます。

周りに止めてくれる人がいない状況だからこそ、「外部の目」として税理士を活用したほうがいいでしょう。

そして、ただ税金に詳しいだけでなく、不正の兆候などに対しても感度高くチェックする税理士を選ぶべきです。



▪️編集後記
昨日は午前中に墓参りとアカチャンホンポで買い物。
午後は天気が良かったので家族と散歩。

▪️娘日記(1歳)
日中はグズることもなく、終始機嫌が良さそうでした。
天気も良く、過ごしやすくなってきたからでしょうか。

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