税理士に限らず、仕事において、知識は時に武器になりえます。でもただ知識を詰め込んでいるだけではなく、使ってナンボです。
話が長いのは、教えたがり
私も気をつけていることですが、話がついつい長くなりがちです。
YouTubeの動画を編集するときに、自分の話している内容を見るのですが、同じような話を何回も話していることがときどきあります。
(ばっさりカットしていますが)
本を読んだりして知識がつくと、ついついそれを人に話したくなりがちです。
仕事でも、これはよくある話です。
プレゼン資料を作ったりするとき、ついつい自分が調べたことを全部資料に詰め込んで、結果として見にくい資料になったりするのは、若手社会人の失敗あるあるではないでしょうか。
「知識」を何かありがたいものか何かのように感じて、「知識」そのものを余す所なく伝えることが良いことだと無意識に思ってしまっているのかもしれません。
でも、大事なのは「知識」そのものではなく、「知識を使って人の役に立つこと」です。
知識ではなく、人の役に立つこと
衒学者(げんがくしゃ)という言葉があります。知識をひけらかすような人のことをいいます。
本が貴重な時代だったら、四書五経を諳んじれる人は重宝されたでしょう。
今や知識はその気になれば一瞬で手に入ります。
もちろん、会計とか税務の原理原則みたいなものは一朝一夕には身につかないものもあります。
でも、専門職でもない限り、基本的な知識は本とかネットとかAIを使えば簡単にアクセスできます。
知識があるからといって、必ずしも人の役に立つとは限りません。
知識を人の役に立つようにする適切なコミュニケーションが必要です。
コミュニケーションでは、「間(ま)」が重要
知識を押し付けるのではなく、必要なときに・必要な場所で知識を伝えるのが、人の役に立つ知識の使い方です。
そのためには、「間(ま)」が大事です。間合いですね。
知識が必要だと思っていない人にどれだけ知識を披露しても響くことはないでしょう。
節税は、税理士に求められるニーズとして大きいものですが、全ての人が節税を積極的にしたいと考えているわけではありません。
そういう人に際どい節税(非推奨)を勧めても、あまり喜ばれないでしょう。むしろ、胡散臭く思われるかもしれません。
相手との間合いを見て、必要だと思うタイミングで伝えるから意味があります。
剣道でも柔道でもボクシングでも、闇雲に相手に攻撃しても効果がないように、間合いを見て「ここだ」と思うタイミングで一撃を加えると、「一本」が取れたりKOが取れたりすると思います。
その間(ま)をどうやって見極めるかですが、「観察」することでしょう。
仕事だったら、お客様がどういうことを求めているのか、言葉になっていなくても、観察していれば感じることはできると思います。
税理士だったら、会社の財務状況を見れる立場にいるので、なおさらヒントは多くあります。
お客様を観察し、興味を持ち、それを素直に先方にも伝えると悪い気はしないでしょう。
(過剰なおべっかは嫌がられるかもしれませんが)
税理士は「話せなくても」うまくいく ―独立がより楽しくなるコミュニケーション思考
観察して、適切な間合いを取ってコミュニケーションをとり、必要なところで自分が持っているものを出す、ということが、知識を正しく伝えることの本質だと思います。
▪️編集後記
昨日は税理士業。打ち合わせはなく、自宅でじっくり。
午後にジムでトレーニング。
▪️娘日記(1歳)
「宇宙語」というんでしょうか。ずっと何か「ウォー」とか「バブー」とかを言ってます。
だんだん言葉も身に着けていくのでしょう。